カンニング
2016年3月 3日 (木) 投稿者: メディア技術コース
私が小学校1年生のときの話です(半世紀前!)。学校で理科のテストがありました。その中でイラストに描かれた花の種類を答えさせる問題がありました。1問だけどうしてもわからないのがありました。私は誘惑に負け、前の席の人の答えを覗いてしまいました。
そこには「ぞか」と書かれていました。小1の私は「ぞうか」という花の名前を確かに聞いたことがありましたが、それがどういう花かは知りませんでした。「ぞか」というのは、彼が「ぞうか」のことを書き間違えたと推測できました。正解はきっと「ぞうか」に違いない、と自信満々で「ぞうか」と解答しました。
家に帰ってその花の名前を調べたら、もちろん「ぞうか」ではありませんでした。そして、「ぞうか」はその問題の答えになり得ないものであることも知りました。同時に、先生は私がカンニングをしたと気づくはず、と想像しました。その先生は私が尊敬していた先生でしたので余計にショックでした。
それ以来、私は試験でカンニングをしていません。
教員になってまだ年数は浅いですが、試験の採点をやってみて、小1のときの私の想像が正しかったことを改めて確信しています。明らかに不正解で他のほとんどの人が書いていない答えなのに、学籍番号の続いている二人が同じ答えの場合があります。偶然で起こり得るより大きい頻度です。前席の人の答えを見ていることはほぼ確実です。悲しいことです。
試験の不正行為を防ぐために、大学側も最大限努力しています。抑止力だったりテクニカルな工夫だったりします。でもそれらは本質ではありません。
人としての誇りを捨てないで欲しい、と私は思います。
メディア学部 柿本正憲
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