「ラフ集合」を使うと人の心がわかるって,ホント?-菊池研ラフ集合勉強会
2016年6月20日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部准教授 菊池 です.
本日のブログでは,菊池研究室の2つの研究プロジェクト「Procedural Animation」と「Contents Design Science」のうち,「Contents Design Science」においてコンテンツを分析する際に利用する「ラフ集合」について解説したいと思います.
「ラフ集合」とは,物事をラフに理解するための方法で,「特徴を見つける」方法とも言えます.対象全体を眺めるための方法ではなく,部分を抜き出すための方法なので「データマイニング」の一種と言えます.
人間は,対象(人やモノなど全て)を見て判断する際,対象の「全ての要素(属性)」を見て判断しているわけではなく,対象の「特徴」を見て判断しています.そして,「特徴」は対象に対して必ずしもいつもひとつとは限りません.
対象が持っている「ある要素の組み合わせ」が,対象の「特徴」となります.
私たちは,その「要素の組み合わせ」を無意識に認識し,判断しているわけです.
「ラフ集合」を用いると,この「特徴」を導くことができます.
たとえば,ある駐車場に「かっこいい車」が数台止まっていたとします.スポーツカーや SUV,外国の超有名なセレブな人たちがが乗るようなリムジンなど,いろいろな「かっこいい車」が止まっています.
ですが,すべてのタイプの車があなた好みかというと,そうではありませんよね?
「好きなタイプ」と「好きではないタイプ」に分けることができるはずです.
2つに分けたグループには,それぞれ要素の組み合わせによる特徴が存在しており,ラフ集合ではこの特徴を明らかにすることができます.
先日の土曜日,菊池研では研究室メンバー,および1~3年生の有志を集めて「ラフ集合勉強会」を開催しました.
勉強会では,ラフ集合の理論をしっかりと理解するために,解析ソフトのようなものは一切使用せずに自分の手で極小条件を計算する練習も行いました.
図.自分の手で極小条件を計算します
菊池研では,この「ラフ集合」をコンテンツの分析に応用しています.
あるコンテンツに対して,視聴者やユーザーは何を見て何を判断しているのか?たとえば,「心地よいコンテンツ」の特徴とはどのようなものなのか?などを導き出すために応用します.
そして,導き出された解をコンテンツデザインに活かす活動を行っています.
このような研究活動から,今後どのようなコンテンツが生み出されるのか非常に楽しみですね.
文責:菊池 司
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