授業で「4'33''」を演奏してみた
2016年7月 1日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
皆さん、こんにちは。メディア学部の伊藤です。
以前、このブログに「音が鳴らないのに『音楽』?」と題して、ジョン・ケージ(1912〜92年)が作曲した「4'33''」(1952年)という曲を紹介しました。実はこの曲、私が担当している1年生の授業「音楽入門」で、音符や休符の説明をするときに必ず取り上げています。
先日の授業では説明だけでなく、実際にこの曲を学生と一緒に演奏(?)しました。さすがに4分33秒もの間、何もせずじっとしているのは大変なので、「4'33''」の一部として2分間の演奏としました(※実際、この曲は3つの楽章から成り、各楽章の長さは演奏者が自由に決めることができます。ただし今回は残り2つの楽章を演奏しなかったので、厳密には「4'33''」を演奏したことにはなりませんが…)。
この日の授業には172名が出席しました。場所は、450人を収容できる「メディアホール」です。下の写真はその時の演奏風景です(※うつむいている学生が多く見られますが、決して居眠りをしているわけではありません。耳を澄ませて周りの音を聞くことに集中しているのです。多分…)。
この2分間でどのような音が聞こえたか学生たちに書いてもらい、それをまとめたのが以下の表です(複数回答です)。
ほとんどの学生が「スピーカーからのノイズ音」を挙げていますね。マイクの電源は切っていたのですが、スピーカー自体から「ジー」というノイズが出ていたようです。静寂の中では目立ちましたが、普段の授業ではほとんど気にならない音でしょう。また、じっとしていても無意識に身体は動くもので、それに伴う椅子の軋みもよく聞こえたようです。16位と19位、20位に「お腹の音」が入っていて、合計で19名(全体の約1割)の学生が聞こえたと書いています。この授業は5時限目(16:45〜18:15)の開講で、ちょうどお腹が空いてくる時間帯だからだと推察されます。空腹に耐えながら私の授業を受けている学生が一定数いることがわかりました。
また、どれくらいの種類の音が聞こえたのか、その結果も集計してみました。最も多かったのが5種類で、中には10種類の音が聞こえたという学生も3名いました。
このように日常のちょっとした1コマでも、私たちはさまざまな音に囲まれているのですね。皆さんも周りの音にそっと耳を傾けてみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。
それでは、また!
(伊藤 謙一郎)
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