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メディアと社会:社会情報学会2016年度全国大会に参加して

2016年9月19日 (月) 投稿者: メディア社会コース

さる910()11()の両日、札幌学院大学で社会情報学会2016年度全国大会が開催されました。同大学は札幌市の東部にあり、JRでは函館本線の大麻駅が最寄りになります。近辺には、北翔大学、酪農学園大学もある、文教地区です。札幌では一足早く秋の気配が漂い始めており、街路樹の葉も少し色づき、風情を感じさせます。しかし、例によって、学会出張となるといつも宿の確保に苦労しますが、ここ札幌も京都、福岡とともに御三家と言え、年々状況が厳しくなります。


さて、「社会情報学会」は、私たちの生活する社会と様々な情報との関係を研究する学会です。特に、メディアと社会との関わりを勉強したい、という人たちに関心のあるテーマが多いのではないかと思います。本大会のプログラムや論文は下記のURLから見ることができます。

http://www.sgu.ac.jp/soc/ssi/Program.html

今回のブログでは、メディア社会コースを希望する高校生諸君にも関心が高いと思われるセッション「広告とコンテンツ産業」について紹介しましょう。報告テーマは以下の通りです。

(1)JリーグにおけるTwitterの利用傾向と広報戦略

(2)キャラクタービジネスの現状の問題と今後のあり方について

(3)日本のアニメ産業への情報学・経営学的アプローチ

Jリーグ、キャラクター、アニメなど、取り上げられる研究対象が多様で、また、Twitter、知的財産権、情報学・経営学などアプローチの仕方も学際的です。これが当学会の特色でもありますが、本学部のブログを日頃ご覧になっている読者にとって、関心の重なる部分があるのではないでしょうか。

上記報告の一つ、「JリーグにおけるTwitterの利用傾向と広報戦略」では、次の研究成果が報告されていました。一般に、マスメディアを通じた広告に比較して、SNS等を利用した広告では初期投資が低く、インタラクティブで波及効果も直接的に期待できることから、(財政状況の厳しいと思われる)下位のリーグ、チームでむしろ利用が進展しているのではないか、と考えられます。しかし、Twitterの利用状況や、テキストマイニングの結果からは、優位な結果は得られないということでした。

新しいメディアが登場すると、その技術的な可能性ばかりが喧伝される嫌いがありますが、実態は単純ではないことがわかります。コンテンツ、技術も、社会との関わりにより、価値が生まれるというわけです。

 (メディア学部 榊俊吾)

 

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