計測自動制御学会 論文賞・蓮沼賞を受賞
2016年9月29日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース
こんにちは、コンテンツコースの加納です。
2016年9月22日、SICE Annual Conference 2016 Award Ceremony にて、計測自動制御学会 論文賞・蓮沼賞を受賞しましたので、報告いたします。
計測自動制御学会(SICE)は、さまざまなシステムの計測や制御の発展を目的とした学会です。年に一度の国際会議(Annual Conference)では、学会賞の授賞式が行われます。
今回は、候補となった論文約630編の中から、論文賞が10件、技術賞が5件選ばれました。また、その中から特に科学技術の発展の寄与するところの大きい論文として、蓮沼賞、友田賞、武田賞がそれぞれ1件選ばれました。今回私が受賞した蓮沼賞は、計測自動制御学会 初代会長 蓮沼宏氏の名を冠した賞となっています。
対象となった論文は、X線CT画像におけるメタルアーチファクト低減アルゴリズムに関するものです。非破壊で対象の断面図を見ることができるX線CT装置は、診断・検査技術として多方面で活用されていますが、対象に金属が含まれると、激しいノイズ(メタルアーチファクト)が発生する問題が残されています。本論文では、X線強度のエネルギー依存性を厳密に数式化し、逐次計算によりメタルアーチファクトを根本から取り除く技術を提案しました。本技術により、これまで発見が困難であった病変の診断や、金属製品の内部検査の実現が期待されます。概要につきましては、以前の記事(X線CTにおける諸問題 その2)にも書かせて頂いておりますので、もしよろしければご参照下さい。
また、蓮沼賞受賞を記念して、Keynote Speech をさせて頂きました。題目は受賞論文の英題である「Metal Artifact Reduction using Iterative Reconstruction Algorithm」といたしましたが、論文の内容に加えて、メタルアーチファクト低減に向けてこれまでに私が行ってきた他のアプローチなども紹介させて頂きました。多くの人に私の研究内容の全貌を知ってもらう、大変素敵な機会となりました。
今後も本研究の、延いては科学技術の更なる発展を目指して、日々精進努力していきたい思いです。
メディア学部 加納
参考文献
1) X線CT画像における逐次近似法を用いたメタルアーチファクト低減; 加納徹, 小関道彦: 計測自動制御学会論文集, Vol.51, No.12, pp.836-844, 2015.
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