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メディア学部の授業 「音声音響メディア処理論」

2016年10月 3日 (月) 投稿者: メディア技術コース

みなさん、こんにちは、

 
後期の授業がはじまりました。
メディア学部の授業の1つに「音声音響メディア処理論」という授業があります。1回目の授業は音の紹介です。その中で、音律について紹介しています。音律というのは音の並びの規則です。
みなさんは、小学校から高校までの間で、振動数の比率が簡単な整数比になっているときれいに聞こえるという話を聞いたことがあると思います。振動数は物理学では周波数と呼びますので、今日のお話では周波数と書くことにしましょう。そのような整数比によって音の周波数の並びを決めたものが純正律です。図1にピアノの鍵盤を示しますが、純正律ではドとソの周波数の比率が1.5倍になります。
 

Photo

                    図1 ピアノの鍵盤

さて、ピアノの鍵盤の周波数はどのように決められているでしょうか?これは、ご存じの方も多いと思います。平均律ですね。平均律はドから次のドまでの間を極めて正確に12等分したものです。12等分と言っても、音の周波数の比率で12等分です。ドと次のドの周波数の比率は2倍です。図1でドからはじまって、ドのシャープ、レ、レのシャープと数えていくと段階は12段階あります。この1段階が半音、2段階が全音と呼ばれています。この半音での周波数の比率は、ピアノの鍵盤のどこをとっても一定なのです。半音の周波数の比率をSと書きますと、Sの12乗が2ということになります。数学が得意な方は、Sは2の12乗根であることがすぐにわかったと思います。半音での音の周波数の比率はどのくらいでしょう?

電卓でも計算できますが、他にもいろいろなことができるフリーソフトscilabを使って計算してみましょう。sciilabホームページ からダウンロードしてインストールしてみてください。ソフトが動いたら、そのコンソールという枠のなかの --> の記号の右に

 
s = 2 ^ ( 1 / 12 )
 
と打ち込んでみてください。
 
s  =
 
    1.0594631   
 
という解答が表示されたと思います。つまり、半音での周波数の比率は約106%なのです。
 
次に、平均律でドとソの周波数の比率を求めてみましょう。ドとソの関係は完全5度と呼ばれ、半音にして7つ分に当たります。 -->  の右に次のように打ち込んでみてください。
 
s ^ 7
 
すると次のような結果が得られると思います。
 
ans  =
 
    1.4983071
 
ドとソの周波数の比率は1.5倍でした。平均律では、1.498倍です。ずいぶん純正律の1.5倍に近いですね。2の12乗根という、とても整数比とは縁がなさそうな数値を使っているにもかかわらず、ドとソの関係は簡単な整数の比率に鳴っています。
ドとミの関係はどうでしょうか?半音4つ分の違いですね。そうすると周波数の比率はつぎのようになります。
 
s ^ 4
 
と打ち込んでみてください。つぎのような解答が得られます。
 
ans  =
 
    1.259921 
 
ドとミの音の違いは長3度とよばれ、純正律だと4分の5倍、つまり1.25倍です。平均律では1.26倍ですから、これまた、簡単な整数比に近いですね。
平均律の偉大さがわかりますね!
 
相川清明

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