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学生発表会にて『“ゲームの力”で教育・社会を変える試み』をテーマに教育講演

2016年12月23日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

 メディア学部 教員の岸本です。
 12月3日(土)に八王子学園都市センターで開催された「第8回大学コンソーシアム八王子学生発表会」にて、『“ゲームの力”で教育・社会を変える試み』をテーマに講演しました。当日は、140名を超える学生・教員が参加され、質疑応答含む50分間の講演に耳を傾けて下さいました。

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▲会場のある建物

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▲教育講演の様子

 講演の要約です。

 皆さんも大好きかもしれない「ゲーム」。それは「ただの娯楽」でしょうか? 私は、「ゲーム」は「教育にも役立つ」と考えています。我々の研究室では、学生が作った学習ゲームを使って、小学生を対象としたワークショップを4年連続で開催しています。

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 皆さんは「シリアスゲーム」って聞いたことありますか? 日本ではまだあまり知られていませんが、社会問題の解決・啓蒙を主目的とするゲームのことです。
 外国では「シリアスゲーム」の人気は高く、例えばオランダでは「シリアスゲーム」を開発している企業が150社もあります。また、アメリカでは、なんとホワイトハウスで2014年に「教育ゲームジャム」が開催されました。このように、海外では既に「シリアスゲーム」が教育分野で盛んに活用されているのです。

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https://www.whitehouse.gov/blog/2014/10/06/white-house-education-game-jam

 では、日本の「シリアスゲーム」とは、どんなものなのでしょう? はっきり「シリアスゲーム」とは呼ばれていませんが、Nintendo DS向け『えいご漬け』(2006)や『漢検DS』(2006)などの実用ソフトがその先駆けと言えます。また、ベネッセなど教育産業の提供するデジタル教材の中にも広義の「シリアスゲーム」と言えるものが増えています。しかし、娯楽用ゲームと比べるとまだまだ少数です。

 文部科学省は、2020年度より「デジタル教科書」を正規の教材として導入することを決めました。今後数年の間に「デジタル教科書」への注目度は高まり、その普及に伴って、子ども達が能動的に楽しく学べる仕掛けとして「ゲーミフィケーション」を用いた教材が増えてくると考えられます。

 我々の研究室では、この動きを想定して4年前から、英単語学習ゲーム『ワードブリッジ』や、数学的な思考力を鍛えるゲーム『てくてくロボット』、情報セキュリティ学習ゲーム『Security Growth』などを制作し、子ども向けのワークショップで、その有用性の検証を重ねてきました。

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 2020年には、「教育」は「ゲーム」によって大きく変わるかもしれません。岸本研究室は、子供たちが“ゲームのように楽しく学べる、未来の教育”の実現に貢献することを目指して、日々研究を続けています。

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▲聴講者も参加できる楽しい講義

 今回の講演では、「動画」を多用し、「体を使った〇?アンケート」や「配布資料は書込み式」にするなど、「聴講者参加型の講演」となるよう工夫を凝らしました。これも「ゲーミフィケーション」の実践です。

(追加)
【講演資料】“ゲームの力”で教育・社会を変える試み
http://www.slideshare.net/kishimotoyoshi/ss-70427677


執筆記事一覧
http://kishimotolab.org/mediabloglink.html
教員紹介 岸本好弘
http://www.teu.ac.jp/info/lab/teacher/?id=1566

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