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音はどちらから聞こえますか?

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まずはステレオヘッドフォンで以下の2つの音楽を聴いてみて下さい。両耳用ならイヤフォンでも構いません。

音楽A

音楽B

どちらも途中で音の聞こえる方向が変わるのがわかりますか? 注意して聞くと、最初は左から、途中で中央からに変わり、そのあとは右からといった具合に、音の方向が数秒おきに変わっているのがわかるはずです。

次に、ヘッドフォンの片耳を外して、もう片方の耳だけで音を聞いてみましょう、数秒おきに何か変化がありますか?

Aの音楽では、数秒おきに、片側の音が大きくなったり小さくなったりしていますね。左の音が大きくて右の音が小さいと、音は左から来ているように聞こえます。ステレオでは音が立体的に聞こえるというとき、普通の人が思い浮かべるのはこういう仕組みではないかと思います。ところが、Bの音楽では、音量はずっと変わりません。なのになぜ音の方向が変わって聞こえるのでしょうか?

実は、Bの音楽では、左右の音の再生のタイミングを、約0.0009秒だけずらしています。空気中の音速は約340m/秒なので、音が30cmぐらい伝わるのにかかる時間です。ちょうど左右の耳の間隔ぐらいの距離ですね。右の音をこれぐらい遅れさせると、音がまず左耳に届いて、それから少したってから右側に届く、つまり音は左側から到来しているように聞こえます。一方、左右同時に鳴らせば、正面から来ているように聞こえますね。こうした違いを、両耳間時間差(Interaural Time Difference: ITD)と呼びます。

これに対し、左右の音の強さが違うのは、両耳間強度差(Interaural Intensity Difference: IID)と呼びます。人間は、ITDとIIDをうまく組み合わせて、音の到来方向を検知しています。最近では、スマートフォンなどでもこうした音源方向推定の仕組みが使われるようになり、音響信号処理の研究のニーズは益々高まっています。

来春から新規開講予定の「音響コミュニケーション論」の授業では、こうした音響信号処理の仕組みを、いろいろと紹介していきたいと思っています。

(大淵 康成)

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