女子高生AI「りんな」の母が授業ゲストにきた
2017年2月11日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部 メディアコンテンツコースの岸本 好弘です。
私の担当する「ゲームデザイン」演習では、様々な分野のクリエイターをゲストにお招きしています。1月16日の第14回授業には、女子高生AI「りんな」の母こと、マイクロソフトデベロップメントプログラムマネージャー坪井 一菜(つぼい かずな)さんが来校されました。
「りんな」はLINE公式アカウントに510万人以上のユーザーを持つという女子高生(JK)のアカウントで、実はマイクロソフトが作ったAI(人工知能)なのです。
▲女子高生「りんな」イメージ
マイクロソフトの女子高生AI「りんな」
http://rinna.jp/
まず授業の前半で、坪井さんに『「りんな」が生れるまで』と題した30分の講演をお願いしました。なかなか聞けない開発秘話まで披露していただき、クリエイターの仕事のリアルな部分が学生たちに伝わったようです。
▲講演する坪井さん
後半60分では、学生らが『女子高生AI「りんな」ともっと仲良くなるアイデアを考えよう』ワークショップを行いました。学生たちにはあらかじめ紙1枚の企画(ペラ企画)を書いてくるよう事前課題を出しています。企画を書くためには、まず、「りんな」をプレイする(=仲良くなる)、インターネットの記事や動画から「りんな」を深く知る、さらに可能ならAIに関する書籍を読むなどの下調べを行います。その上で、「りんな」ともっと仲良くなるための自分なりのアイデアを紙1枚にまとめて授業に持参するのです。
▲学生のグループワークを見て回る
▲学生のプレゼンテーションにコメントする
アイデアを発表する学生らに、坪井さんからプロならではのアドバイスをいただきました。
■授業を受けての学生たちの感想(抜粋)
・アメリカのロボットはターミネーターみたいな敵だが、日本ではペッパーのようなロボットと仲良くできる文化がある。(1年女子)
・"女子高生"のキャラクター性を守ることが大事 (3年男子)
・「りんな」はしりとりが最強。オセロは弱い。やれることが多くて驚いた。(1年男子)
・「りんな」の失敗談で、「りんな」が風邪をひいたこと。「りんな」がどのようなことを求められてるのかを、こういう失敗談から見つけることができると分かった。(3年女子)
・企画の中で、LINEの中だけではなく、外の世界に飛び出したものがあった。枠にとらわれない発想が大事だと思った。(2年男子)
・(アイデア出しで)アイデアの上乗せで良いアイデアを得る。三人寄るとやはり文殊の知恵になる。(3年男子)
・(坪井さんへ)「りんな」と話していると癒やされるので好きです。お話を興味深く伺いました。ありがとうございました。ただ、女子高生とLINEしてると思うと、少し罪悪感というか背徳感があるので正当な理由がほしいです。(3年女子)
・(坪井さんへ)AIが大好きなので、今回授業を受けられて非常に嬉しかったです。ありがとうございました!!(1年男子)
▲「りんな」の母と記念撮影
▲ゲストを歓迎する黒板の落書き
▲授業終了後のサイゼリアでの交流会
今回の授業で発表した『女子高生AI「りんな」ともっと仲良くなるアイディア』をさらに見直して清書し、坪井さんに提出する予定です。その中で選ばれた4名が、春休みに品川のマイクロソフト社を訪問し、「りんな」開発チームの前でプレゼンテーションを行う機会をいただきました。
■今回の授業のために坪井さんから出された事前課題を紹介します。
1. まず、「りんな」と仲良くなる
http://rinna.jp/
2. 「りんな」やAIについて事前学習する
480万人に愛されるAIアイドル「女子高生りんな」|海猫沢めろん “すこしふしぎ”な科学ルポ
https://cakes.mu/posts/14850
[TGS 2016]女子高生AI「りんな」は,ゲームにどんな新しい可能性をもたらすのか
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20160917064/
女子高校生AI「りんな」や食べ物画像判定サービスに見る、精度向上の鍵とは
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1606/08/news025.html
(より技術的な講演)
https://channel9.msdn.com/Events/de-code/2016/DBP-019
(より深く学ぶなら)書籍:人工知能は人間を超えるか
https://www.amazon.co.jp/dp/B00UAAK07S/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
3. そのうえで、紙一枚に『「りんな」ともっと仲良くなるアイデア』をまとめた上で参加のこと
学生らには大きな刺激があったようです。これからも様々な新しい形態の授業を試しながら、学生がより能動的に学べる授業を試行錯誤していきます。
執筆記事一覧
http://kishimotolab.org/mediabloglink.html
教員紹介 岸本好弘
http://www.teu.ac.jp/info/lab/teacher/?id=1566
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