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「シナリオライティングシステム」を開発して,博士号を取得!

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戀津 魁(Kai Lenz)君が,博士(メディアサイエンス)の学位を取得し,3月24日の学位記授与式において,学位記を学長から直接いただくことができました.

Kai

このために大学院メディアサイエンス専攻博士学位論文公開発表会を以下のように実施しました.
日 時:2017年1月13日(金) 13:15~14:30
場 所:KE302教室
題 目:
シナリオ情報構造化システムによる映像コンテンツ制作支援基盤の構築
審査委員
主査  近藤 邦雄
副査  柿本 正憲
副査  三上 浩司
副査  菊池 司
副査  竹島 由里子

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この発表会に加えて専門科目と英語の筆記試験も行い,無事,合格しましたので,学位記授与式を迎えることができました.この学位論文の概要は次のようです.学位論文は国会図書館に収められ,公開されますので,興味を持った方はぜひ読んでください.
■ 研究の概要
映像コンテンツの制作を行うには多くの工程において多様な情報を扱う必要がある.そのためにシナリオに必要な情報を記載する.このため映像コンテンツ制作において,シナリオは作品の設計図といえる.ストーリーやジャンルなど物語の内容を示し,キャラクター設定や舞台設定など,撮影及び作画工程において必要な情報を多く備えている.しかし,シナリオ自身も非常にさまざまな工程を経て多くの情報を扱う.そのため,シナリオに関わる第1の問題として,シナリオ執筆の難しさが挙げられる.シナリオはその文章量に対し各種情報を矛盾なく織り込む必要がある.第2の問題として,シナリオからの情報の読出しが挙げられる.1本の文章としてのシナリオの場合,登場人物や舞台の情報を把握するためには,シナリオのその内容が描写されている部分を作業担当者が探し出して読むことが必要となる.第3の問題として,シナリオから完成形の映像の想像が難しい点が挙げられる.シナリオは映像制作の初期段階の資料であるため,シナリオと完成映像は作業工程において最も離れているといえる.多くの人員と協力して制作を行っていくときに,それぞれのメンバーが異なる完成映像を想像していると破たんや作業のやり直しなどのリスクが高まる.
これらの諸問題を解決するため,本研究ではシナリオ情報をベースとした映像コンテンツ制作支援基盤の構築を目的とする.この目的を達成するため,シナリオに関わる諸課題を解決するために次の3つの課題を取り扱った.
(1)シナリオ執筆支援と構造化シナリオの提案
シナリオを制作するためには多くの情報を扱う必要があり,かつそれらを並行して考える必要がある.複数人による執筆を行うときはもちろん,単独での執筆においても記述済みの情報を正しく管理し参照しながら制作する必要がある.シナリオの構造化によって,この記述・参照のサイクルを補助することによって執筆支援する手法を提案した.これによって膨大な量及び十分な質の求められるシナリオ制作において,熟練者・初心者にかかわらず,映像制作に必要な情報を不足することが少ないシナリオ執筆支援を可能とした.また,同時に執筆されたシナリオを構造化し,構造化シナリオとすることによってシナリオの設計図としての機能の拡充を図った.これによって,シナリオ情報の利用分野が拡大した.
(2)シナリオ情報を利用した香盤表作成
構造化シナリオを利用し,プロダクション段階における撮影計画時に必要となる香盤表と呼ばれる中間資料生成手法を提案した.本提案手法を用いて,シナリオデータから香盤表データ出力の省力化と高品質化ができた.これによって従来独立した工程であり情報の流用ができなかったプレプロダクション段階とプロダクション段階を繋ぎ,構造化シナリオによる映像制作支援の有効性を明らかにした.さらに第1のシナリオ執筆支援の研究で行ったシナリオ情報の構造化が有効であり,シナリオ執筆以降のプロダクション工程においても活用できることを示した.
(3)シナリオ情報に基づく配色タイムライン生成
構造化シナリオをもとに,完成形の映像情報をシミュレーションすることによって,シナリオ段階から映像の完成形を想定した修正やスタッフ間のイメージの共有を行えるような配色タイムライン生成手法を提案した.これによってシナリオ執筆段階において特段の情報追加をすることなく,完成形となる映像のおおまかな配色タイムラインを生成できたことを示し,従来のシナリオでは困難であった初期段階における配色設計支援が可能であることを明らかにした.以上から,構造化シナリオによって従来の映像コンテンツ制作では不可能だった新たな工程を提示することができ,構造化シナリオの有用性を確認できた.
学部ブログ記事:
◎大学院メディアサイエンス専攻から4人目の博士誕生:映像分析に基づく演出設計支援手法に関する研究 2015.03.31
◎メディアサイエンス専攻 「博士学位論文公開発表会」のご案内  2015.01.24
◎メディアサイエンス専攻で博士号を取得した渡邉賢悟氏の博士論文が情報処理学会の研究会推薦論文に選出  2013.09.03
◎大学院メディアサイエンス専攻の博士論文公開発表会 2013.01.26
メディア学部 近藤邦雄

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