巨人の肩の上
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渡辺です。
タイトルにある「巨人の肩の上」という言葉は、学者の間では有名な言葉で、論文検索サイト「Google Scholar」(https://scholar.google.co.jp) のトップページにも表記されています。
この言葉の初出は12世紀フランスの詩人によるものらしいのですが、有名になったのは17,8世紀の物理学者アイザック・ニュートンと、同じく物理学者の友人であったロバート・フックでの手紙のやりとりによります。フックがニュートンに対し
「なぜあなたには、凡人には想像すらできない彼方の事象を思い浮かべることができるのでしょうか?」
という質問をしたのですが、それに対しニュートンは
「私が彼方を見渡せたのは、それはひとえに巨人の肩に乗っていたからです。」
と返信しています。
このニュートンの言う「巨人」というのは、偉大な先人達が発見してきた様々な理論や実績のことです。ニュートンは、これらの先人達の成果を誰よりも把握しているから、その先を見渡すことができる、それを「巨人の肩に乗る」と表現したわけです。この言葉は、人間が勉強をする根源的な理由の一つとして、よく引用されます。
今年度の研究室ミーティング初回で、私はこの言葉を学生に紹介しました。これは、私が研究を行っていく上でのスタンスの一つでもあります。研究の進め方は人それぞれ、色々な方法があって良いと思いますが、一つの参考になればと存じます。
(メディア学部准教授 渡辺大地)
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