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あなたは「何で」TVを見ますか?

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■「あなたは<何で>TVを見ますか?」
  別に「理由」を問うているわけではありません。どのような手段で(画面で)TVを見ているかということなので。「当たり前じゃないか。テレビにきまっているだろ」というのは、中高年の反応でしょうね。
  若者はというと、「録画して見る」「動画サイトで見る」「(TV局)のアプリで見る」といったところが多いのではないでしょうか。もちろん「手段」はスマホですね。
  一方、最近はTVで放送している番組がそのままスマホ(アプリ)で見られることをご存知でしょうか。すべての番組というわけではありませんが、ごく最近の例でいうと「浅田真央引退記者会見」は「NHKニュース・防災」アプリで見ることができました。そんな特別な出来事だけでなく、「全国的に荒れた天気 各地の様子をライブで提供」といって、長崎県新上五島町から中継なんてものもありました。
■ネットでTVが見られるのはいつから?
  こんな具合に、TVがある意味で「インターネットに侵入」して来たのはきっかけがありました。「東日本大震災」のとき、すべての地上波TVキー局が災害情報に番組を切り替えた時です。ある視聴者がNHKの画面を撮影して、そのままインターネットの動画配信サイトに流し始めたのです。その動画配信サイト会社は気がついて、「これはNHKに伝えないとまずいな」と考えて(当然著作権の問題があるので)、連絡したそうです。
  その時の反応は、「確かに被災者へネットで災害情報を届ける必要がありますね。ではNHKから直接動画配信をそちらに繋げましょう」という、意外なものだったそうです。「意外」の意味は、放送局を規制する放送法がその時点で、放送内容をリアルタイムでネットに提供することを認めていなかったからです。
  停電した被災地に、ネットで災害情報を届けることは誰でも納得するでしょう。その後、放送法は順次改正され、いまは放送をリアルタイムで(国内向けに)ネットにのせることが可能です。
■TVとアプリに違いはある?
  アプリに話を戻すと、「ロンドンオリンピック・パラリンピックメダリストパレード」のネット中継では、TVの生中継番組の前後つまりスタートから終着まで、パレード全部を見ることができました。「なんだ、それではニコニコ生中継が記者会見を初めから終わりまで全部流すのと同じじゃないか」とおっしゃるかもしれません。
  その通りなのです。これは一種の「TVのニコ生化」といえる状態が生じているのです。
  TV局は、YouTubeやニコニコ動画などインターネット上の映像プラットフォームを、TVより後から登場したメディアとして当初は軽く見ていたところがあります。それが、YouTuberが人気を集め、「ピコ太郎」が世界的スターになり、若者はTVより動画配信=スマホのスクリーンから目を離さない事態に直面して、必死に回復策を考えているのです。そのひとつが、「TVはスマホでも見られますよ」というさまざまなサービスなのです。文字通り、「TVは何でもみられますよ」を目指しているのです。
■未来像を発見する
  ネットの普及で、「TVはネットに置き換わる」という意見もよく聞かれます。しかし、いまだにTwitterで盛り上がる話題の多くはTV発が占めています。TVとネットの関係は、どちらかが勝って終わりという単純なものではなさそうです。
  この絡み合い、競い合う関係はこれからどうなるのか、TVの専門家・ネットの専門家が揃っているメディア学部は、この予測が難しい未来像にチャレンジするのに最適なところです。皆さんも関心を持ってこのチャレンジに参加し、映像メディアの未来を発見しませんか。 (宇佐美亘)

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