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うつ病対処法学習ゲームアプリのバージョンアップアイデアを提案

2017年5月 2日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

 メディア学部 メディアコンテンツコースの岸本 好弘です。

 私の担当する「ゲームデザイン」演習では、様々な分野のクリエイターをゲストにお招きしています。4月24日の第3回授業にお出でいただいたHIKARI Lab代表・清水あやこさんは、うつ病への対処法が学べるゲームアプリ『SPARX』の日本版を発売した方です。清水さんから学生たちへのミッションは「『SPARX』をもっと売れるようにするアイデアを考えて欲しい」というものでした。
   

Sparx

▲ゲームアプリ『SPARX』ゲーム画面 

Shimizu

▲HIKARI Lab代表・清水あやこさん

https://www.hikarilab.co.jp/front/sparx

 『SPARTX』は「認知行動療法」の考え方に基づいたRPGゲームで、元はニュージーランドで開発されたゲームアプリの日本語版をHIKARI Labが販売しています。「認知行動療法」とは、「考え方」に働きかけて気持ちを楽にする心理療法で、欧米では広く普及しており、日本でも2010年から保険適用の対象になっています。ただ、日本では未だ「認知行動療法」を行っているところが少ないため、書籍などで学習している方が多いのですが、『SPARX』はRPGゲームなので親しみやすく、「認知行動療法」を楽しく学ぶことができます。

 さて、「ゲームデザイン」演習では、ゲストと学生のディスカッションを重視し、学生らには能動的に学ぶ場となることを、またゲストにとっても得るものがある場となることを目指しています。

 今回の授業では、まず清水さんに講演をお願いし、「何故、うつ病への対処法が学べるゲームアプリが必要なのか」、『SPARX』日本版の変更点、そして清水さんが「何故、起業したのか」といったお話をいただきました。

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▲講演する清水さん

 講演後、「うつ病への対処法が学べるゲームアプリ『SPARX』を、もっと売れるようにするアイデアを考えよう」というテーマで60分間のワークショップを行いました。

 学生たちは、あらかじめ『SPARX』を1週間プレイした上で、『SPARX』をより良くすることを目的としたゲームデザインやキャラクターデザインのアイデアを紙1枚にまとめて授業に持参しています。

 

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▲学生のグループワークを見て回る清水さん 

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▲学生のプレゼンテーションにコメントする清水さん

紙1枚にまとめたアイデアを見せながら発表する学生らに、清水さんから専門家としてのアドバイスをいただきました。

■学生の感想(抜粋)

・『SPARX』をやる人が30~40歳の男性が多いこと

・自殺の割合が男性は女性の2倍もあること。死を選んでいる人が45秒に1人もいること。

・うつ病の方が10人に1人もいることが『SPARX』が必要な理由。多くの人がかかるものなのに殆ど認知されていないことが問題だと思います。

・うつや様々なことについて知ることが出来た。とくに日本版の変更点が印象に残った。

・グラフィックやUI(ユーザーインターフェイス)など根本的な点も、見た目でやる人が大きく変化すること。

・ターゲットだけでなく、ターゲットに勧める人や、その周りの人まで考える必要がある。

・うつ病の方への接し方や考え方

・ゲーム以外のこともとてもためになりました。鬱について深く知ることができたと思いました。

・自分自身も軽度ではありますが鬱病の経験があったので、今回のゲームはためになりました。

・起業のやり方

・やりたいことのために起業できる行動力、他人のために借金したりするのがすごいと思いました。

 

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▲授業終わりの記念撮影

■授業ゲスト・清水さんに授業の感想をお聞きしました。

Q. 授業で一番印象に残ったことはなんですか?

(清水さん) 学生の皆さんの一生懸命さです。事前にしっかりと『SPARX』について学んでくれて、お互いに討論しながら「より良いものを発表しよう」という姿勢が印象に残りました。

Q. 授業の印象はどうですか?

(清水さん) とても自由な雰囲気でした。発表の機会が多いためか、学生の皆さんは堂々としていました。

Q. 学生の印象 はどうですか?

(清水さん) ゲームへの熱意が強く、とてもプロ意識が高いと思いました。自分の得意な分野からの意見をぶつけ合って化学反応が起こり、その結果とてもよいアイデアを共有していただきました。

 

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▲授業終了後のサイゼリアでの交流会

 今回の授業で発表した「うつ病への対処法が学べるゲームアプリ『SPARX』を、もっと売れるようにするアイデア」を更に練り込んで、GW明けに清水さんに提出する予定です。その中で選ばれた4名が、5月下旬にHIKARI Labを訪問し、カウンセラーや医師などアプリ開発に関わる専門家の方々の前でプレゼンテーションを行うことになっています。

 社会人の方に学生や授業をほめられると嬉しいものです。これからも学生らがより能動的に学べる授業を試行錯誤していきます。

執筆記事一覧
http://kishimotolab.org/mediabloglink.html
教員紹介 岸本好弘
http://www.teu.ac.jp/info/lab/teacher/?id=1566

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