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インターネットコミュニティ論の紹介

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皆さん、こんにちは。

メディア学部の寺澤です。

私は学部の同僚の山崎晶子先生と一緒に「インターネットコミュニティ論」という授業を担当しています。

皆さんは「6次の隔たり」という言葉を聞いたことはありますか?ごく簡単に言うと、自分から、誰か知らない人まで、知人のツテだけを頼りに連絡をつけようとしたら、大体6人目程度でたどり着けるという話です。最終目的の人の情報は、どこで何をしているどんな人、という程度の情報しか与えられません。絶対に6人目というわけではないのですが、少しでも最終目的の人に近づくには自分の知っている誰に連絡をつければよいかを、途中の人も含めて、各自が考えて選べば、100人とか1000人などの数にはなりません。(地球の裏側に住んでいる人に対してもです!)

今から50年ほど前にアメリカのミルグラムという学者が、アメリカ国内で手紙を使ってこの実験を行いました。これは「スモールワールド実験」として有名です。その後、インターネットの登場に伴い、2000年前後から、様々な研究者が電子メールやSNSを使って同様の実験をしていますが、やはり、平均して一桁台の人を経由するだけで、目的の人にたどり着けそうだという結果が出ています。

では、なぜ、このようなことが起きるのか?は人間関係のネットワークのでき方やその性質から説明できます。皆さんは普段いつも一緒に行動している友達やクラスメートがいると思いますが、それとは別に「部活が同じ人」や「アルバイト先の人」、「住んでいる地域の人」など、複数のグループ(コミュニティ)に所属していますよね。でも、それらの普段から、比較的付き合いの濃い人たちのつながりを利用するだけでは、6次の隔たりのような現象は起きにくいです。

これに対し、「中学のころ一緒だった人」や「転校する前に住んでいた地域で友達だった人」など、知人で連絡はとれるけれど、普段の付き合いは今では薄くなっている人もいると思います。こういう人は、疎遠になっている間に自分の知らないいくつかのコミュニティに属するようになっていて、自分が直接は知らない人に届くための大きな近道になってくれる可能性があります。例えば、次の連絡先として同級生を選ぶより、以前アメリカ旅行をした際に知り合ったスイス人に連絡を取れれば、イギリスにいる最終目的の人に近い気がしませんか?

私は普段は「コンピューターネットワーク」にかかわる研究をしていますが、このような人間関係の「ネットワーク」もあり、これにもいろいろと面白い話があります。この授業では、本来、社会学の領域であるこのようなトピックをインターネット時代ならどうなるのか?ということについて様々な角度から見ていきます。先日の授業では、クラス内でスモールワールド実験のまねごとをやってみました。このように、グループ作業や体験的なことも含めながら、自分で考えてみる時間の多い授業を目指しています。

(メディア学部 寺澤卓也)

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