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先端ゲームデザイン特論:大学院メディアサイエンス専攻の講義紹介

2017年8月21日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

前期も終わり,夏休みに突入した人も多いと思います.
大学の学部は前期と後期の2期制ですが,大学はクォーター制といって,8週間で授業が終わります.
私の大学院の講義の先端ゲームデザイン特論は1stクォーターに実施しています.
大学院の講義なので,少人数で実施できるため,教員からのレクチャー形式ではなく,ディスカッションを多く用意するスタイルで実施しています.
ちょっと簡単ではありますが,ご報告します.

先端ゲームデザイン特論では,ゲームデザインのひとつの基本として,ヨハン・ホイジンガやロジェ・カイヨワの遊びに関する研究を参考にします.

単に参考にするのではなく,これらの遊びに関する研究の中に,遊びの定義なるものがあるのですが,ゲームの歴史の中で様々なゲームデザイナーが,この定義を拡張(逸脱)するアイデアを発想し,実際に作品として世に出してきています.そうした拡張には多くのテクノロジーがかかわっています.
例えば,「自由な活動」という定義があります.これは,プレイヤーが強制されないことを意味し,もし強制されれば,遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまうという考えです.
しかし昨今のソーシャルゲームのプレイを考えるとわかるように,時間によって訪れるイベントに半ば強制的にプレイを支配されている人もいるのではないでしょうか?また,スタミナ不足のためにプレイしたくてもできないということも生じます(課金すればいいですが・・・).
また,「隔離された活動」という定義では,あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていることと考えられていますが,ARを用いたゲームやGPSを用いた位置情報ゲームは,時間と空間の制限をなくしているともいえます.
メディア学部の学生2014年にAR学生作品『カシカセカイ』を開発しています.

Kashika04_2

また,講義の終盤では,CEDECの技術ロードマップを利用して最新のゲームデザインと未来のゲームデザインについてディスカッションします.

CEDEC開発技術ロードマップ(ゲームデザイン分野)

業界の最先端のゲームデザインにおける展望をメディアサイエンス専攻で学んだ知識と併せ,将来のゲームデザインについて提案を行います.

この授業の中で考えた未来のゲームデザインは,果たして5年後に現実となるのか?これからも楽しみです.

文責 三上浩司

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