« 自動車学校の学科教習用アプリを学生らが企業に出向いて提案 | トップページ | おもしろメディア学:スウエーデンのタペストリーと減法混色 »

EC2017での発表(卒研生の発表)

2017年9月30日 (土) 投稿者: media_staff

メディア学部の羽田です.
9/16〜18に仙台市の東北大学で Entertainmant Computingという学会が開かれました.
先日おつたえした3年生2名の発表の他にも我々の研究室からは1日目のセッションで卒研生2名の発表がありました.
1件目は
ドローンの羽音を利用して個体を認識したり,その位置を算出しようというものです.
クアッドコプター型のドローンは揚力を得るために常時4つのプロペラを回しており,その羽音が鳴り続けています.
この音はドローン毎に異なるのではないかということで,現在流行りの機械学習を用いて特徴量を抽出したところ,
どのドローンが飛んでいるかを高い確率で認識することができるという研究です.
このシステムの良いところは,ドローンが飛ぶときに発生する音を利用するため,追加のハードウェアを載せる必要がないところです.
さらに,ドローンの音を複数のマイクで取得することで,ドローンの位置を推定するというシステムも開発しました.
これらの研究はまだ発展途上の研究であったのですが,ちょうど流行りのテーマを組み合わせた研究でもあり,非常に多くの質問,コメントを頂く事になりました.
今後は発表でのコメントを参考にさらに発展させていく事になっています.
もう一つの発表は「ヘッドマウントディスプレイを装着した状態での風向知覚特性の測定: 斉藤佑祈,室崎之典,小野龍一,中野亜希人,羽田久一」という事で,VR環境での風の利用に対する基礎検討になります.HMDを使ったVRコンテンツにより臨場感を与えるために,HMDを装着した頭部に向けて風を送るシステムを提案しています.今回はこのシステムを使ってコンテンツを体験している人がどのように風を感じているのか,特に画面内で風が吹いているような映像を映し,実際には映像とは異なった方向から風を送る事で,どれくらい方向がずれた時に違和感を感じるのかという実験を行いました.
HMDを使ったVRにおいて触覚のような新しい感覚を追加する研究は近年非常に盛んに行われています.
従来の同様な研究では基本的にHMDを装着していない状態での計測が多かったので,今回の実験結果は今後のVRコンテンツの発展のために役に立つと思っています.
こちらの研究も非常に多くの質問やコメントをいただき卒業研究後半に向けてたくさんの課題を見つける事になりました.
これらの研究を含めて,我々の研究室では出来る限り今後もまた学会で進捗を報告する予定です.
(羽田久一)

研究紹介」カテゴリの記事

« 自動車学校の学科教習用アプリを学生らが企業に出向いて提案 | トップページ | おもしろメディア学:スウエーデンのタペストリーと減法混色 »