インドネシアで開催されたConmedia2017で招待講演して(インドネシア訪問その1)
2017年11月18日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
Conference on New Media(Conmedia2017)がインドネシアのマルチメディア大学が中心になって,ADADA Internationalも協力して開催されました.私はADADAの会長として,また提携校であるUMNとの交流の一環としてKeynote Speakerとして参加しました.
ここでは,簡単に講演内容を紹介するとともに,国際会議のセッション名から研究動向を知ること,さらには,世界標準の教員評価について紹介します.
■招待講演の内容
「Content Production Technology based on Media Science」と題して,次の3つのことについて紹介しました.
1. What is Media Science?
本学のメディア学部は,日本で初めて設立したパイオニアの学部であること,メディア学部の3つのコース,大学院におけるコンテンツイノベーションと広告イノベーションの研究や教育があることなどを紹介しました.さらにメディアの基本的な概念として紹介している図を基に説明をして,この考え方を基礎にして教育と研究をしていることも話をしました.
情報社会からメディア社会への変革についても紹介し,今後取り組むべき教育と研究の項目も説明しました.
2. Content Production System based on DREAM process
次に,コンテンツ制作に関する最近の研究成果であるDREAMプロセスについて説明し,具体的にキャラクターを制作する手順と学生の制作事例についてみていただきました.
3. Content Production Technology
この部分では特に,モーションキャプチャを利用した教育とさまざまなアニメーション制作手法の研究成果を多数の研究論文を示しながら紹介しました.モーションキャプチャのデータの削減方法,アウトラインの生成,セルタッチ表現,動作誇張とMotion Filter, さらには,Cartoon Blurについて紹介しました.
UNMの学長,Conmediaの実行委員,ADADA前会長といっしょに.
会議開催の最初に伝統的な踊りの披露
■国際会議の内容とセッション名
この会議のプログラムは このページを見てください.新しい方向を見つけるために,それぞれ分けているセッションの名前を見てみるといいかもしれません.
少し古い話ですが,1990年にコンピュータグラフィックスの国際会議SIGGRAPHで初めて使われた用語があります.コンピュータグラフィックスでは,写真のような写実的(フォトリアリスティック)な映像を制作する物理法則に従った研究が主流でしたが,Non-Photorealistic renderingという名称のセッションが設置されました.その後この分野はNPRという分野で急速に発展しました.国際会議の内容を見るときに,一つずつの論文をみるだけではなく,セッションの名前を見ることもお勧めします.
■教員評価と研究論文
インドネシアでは,教員の研究活動評価が国内で統一されており,世界的なデータベースに登録されているような研究組織から出版されている論文が評価の対象になっています.そのために,IEEEが後援しており論文の質を保証しています.国内の大学でもこのような動きがあり,学会誌論文の質保証や教員評価の国際的基準の活用が始まっています.
会議の招待講演者やUMNの会議実行委員のみなさんと.
国際会議に参加すると,国内だけでは得られない情報を得ることができます.ぜひ多くの国際会議に学生の皆さんも参加してほしいです.
メディア学部 近藤邦雄
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