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深夜の受験勉強ははかどるのか?(集中力の話し①)

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みなさん、こんにちは。
メディア学部の健康メディアデザイン研究室の千種です。私の研究室は、睡眠改善・ストレス低減や集中力アップなどの体内の仕組みを調査し、実践して改善効果を確認し、その仕組みをスマートフォンアプリとして開発する研究室です。
受験勉強も佳境となる時期ですが、皆さんどのような日々を過ごしていますでしょうか?日中は学校で勉強し、放課後から皆が寝静まって落ち着ける深夜まで受験勉強をしているという人も多いのではないでしょうか?長時間にわたって頭脳を働かせて大変ですよね。
 さて、2017年のノーベル生理学・医学賞は、体内時計の仕組みを生み出す遺伝子とそのメカニズムを発見した米国のブランダイス大学のホール(Jeffrey C. Hall)博士、ロスバシュ(Michael Rosbash)博士、ロックフェラー大学のヤング(Michael W. Young)博士、の3氏に授与されました。
ではその体内時計の人類の生理として代表的な例として、人は朝に目が覚めて夜に眠くなるという仕組みを調べてみましょう。体内の血糖値を高めるアドレナリンと低下されるインシュリンという血糖値のアクセルとブレーキの役割を果たす2つの体内ホルモンは有名ですが、人間の眠気にも同じくアクセルとブレーキが存在していることが知られてます。人間の眠気のアクセル役はメラトニンと呼ばれる分泌物で、一方、ブレーキ役はコルチゾールと呼ばれる分泌物です。
Wikipediaによると、眠気のアクセル役のメラトニンは、催眠・生体リズムの調節作用を司る仕組みを持っています。
『日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える。メラトニンが脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体が認識し、睡眠に向かわせる作用がある。また朝日を浴びて規則正しく生活することで、メラトニンの分泌する時間や量が調整され、人の持つ体内時計の機能、生体リズムが調整される。そのため不規則な生活や昼間、太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンがうまく分泌されず、不眠症などの睡眠障害の原因となる。またメラトニンは幼児期(1~5歳)に一番多く分泌され、歳を重ねる毎に分泌量が減っていく。そして歳を取るとメラトニンの分泌量が減るため、眠る時間が短くなる傾向になる。服用した場合、500mgまでが生理学的な作用で、それ以上が薬理学的な作用となるため、通常の3gの錠剤では生理学的な量の10倍となる。生体からのメラトニン分泌時間を移動させることができ、500mgを午前11時から午後7時に服用することで、メラトニン分泌時間は前進し、午前4時から11時では後退する。前日に入眠できた時間のおよそ6-7時間前の服用で最も前進することが期待できる。』
つまりメラトニンは、太陽の光が朝に目に入ることによりスイッチが入り、15時間前後に分泌を始める性質があります。メラトニンの分泌量は、外が明るい日中にはほとんど分泌されず、夕方以降暗くなってくると増えてきます。真っ暗な夜になるとさらに増え、午前2時頃がピークになります(下図)。メラトニンの働きは脈拍、体温、血圧を低下させることによって体の休息と疲労回復のための睡眠のきっかけとなります。これだけでも睡眠と覚醒の変化をもたらしますが、次のブレーキ役のコルチゾールにより、「睡眠」という作用のより明確な体内時計の働きを導いています。
次にブレーキ役のコルチゾールはWikipedeiaには以下のように記載されています。
『コルチゾール(コルチゾン)とアドレナリンは人体がストレスに対して反応する際に放出される主なホルモンである。これらは血圧を上昇させ、体を闘争または逃避反応に備えさせる。』
一般的に、アドレナリンは必要に応じて分泌されますが、コルチゾールは24時間の周期性があります。メラトニンが睡眠のスタートに役立ち、コルチゾールは睡眠の終了に役立つ、睡眠のブレーキ役、つまり体内時計でいう目覚まし機能であるといえます。

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以上のように、24時間周期の体内時計としてのメラトニンとコルチゾールの作用をじっと眺めると、人間本来の眠くない時間帯は20時~24時までが限界と言われる理由です。つまり、午前2時くらいが静かで周りが寝静まっているから効率よく勉強が捗るというのは、「午前2時」だからではなく、「静か」だから「勉強が捗る」ということを誤解している部分があるのではないでしょうか?大学入学試験も午前から実施されることが多いので、夜型人間よりも朝型人間の方が、体内時計の面からも効果的に思えますね。

参考文献

[1] 吉田集而、”眠りの文化論”、平凡社(2001)

[2] 山内兄人、“ホルモンの人間科学”、コロナ社(2006)

[3] 白川修一郎、“光と人間の生活・健康”、人間生活工学Vol.4, No.3(2003)

[4] JAMT共済ネット 連載「睡眠」http://www.e-kensa.org/aroma/sleep/article_06.html

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