卒業研究の紹介(コム・メディア・デザイン研究室)ー ちらしを手渡しするサイネージ
2017年11月13日 (月) 投稿者: メディア技術コース
当研究室で現在行っている卒業研究テーマについて紹介いたします。今回は、広告中の人物やキャラクターから宣伝のちらしを手渡ししてもらうように感じるデジタルサイネージです。
現在ではデジタルサイネージは駅などに沢山配置されており、静止画像を切り替えるようなものだけではなく、動画映像による広告が多く表示されています。中には人や周辺の環境にインタラクティブに反応するものも現れています。本研究もサイネージにインタラクティブ性を持たせようとした試みです。
本研究で実現しようとするサイネージは、店舗の情報などのちらしを手にしておじぎをしている人物が画面に映っており、スマートフォンで対応するアプリケーションを起動して近づくとちらしが差し出され、スマートフォンの画面でそれを受け取る映像とともにちらしのファイルが転送されるというものです(下図参照)。
サイネージを見る人に追加の情報を提供するのであれば、詳細情報が掲載されているウェブページのURLを、そのまま表記するかQRコードを画面に呈示しておけば良いでしょう。そのようにしているサイネージは沢山あります。なぜ、わざわざチラシを受け取るような仕組みを創るのかというと、ちょっと不思議に思えたり面白く感じたりできることによって、より多くの人の感心を呼ぶことができると考えるからです。
サイネージにかぎらず広告は多くの場合感心を払われず、嫌がられることも多いものです。そこで現在では、まず目につく広告で人々の感心を惹いて、そこからより詳細な情報の提供に結びつけようとするデザインが増えています。この研究では、インタラクティブな仕組みで面白い体験を創ることでそれを実現しようとしているのです。当研究室では、こうしたインタラクティブな仕掛けをもったデジタルサイネージのアイデアを色々考えています。
太田高志