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学会発表: 嘘をつくゲームAI

2017年12月25日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。みなさんこんにちは。

12月7日の記事で、「ポーカーにおける表情から相手の手を見抜くAI」という研究を紹介しましたが、今回もゲームAIに関する研究を紹介したいと思います。学部4年の中澤桂介君による「カタンの開拓者たちにおいてウソの情報を流し状況を有利に進める敵の提案」という研究です。この研究は、2017年11月9,10日に行われた情報処理学会デジタルコンテンツクリエーション研究発表会にて発表されています。

「カタンの開発者たち」(以下「カタン」)は、まず1995年にドイツにて考案されました。その後、世界中のボードゲーム愛好家に注目され、各国で発売されました。日本では現在ジーピー社が販売しています。ゲームの概要としては、各ターンで入手できる資源を用いて様々な施設を建造し、ある一定基準までの開拓に成功したプレイヤーが勝利するというものです。

この「カタン」の面白さは、他プレイヤーとの「交渉」にあります。交渉により、他プレイヤーと資源を交換することができるのですが、このときの駆け引きのうまさが勝敗に重要な要因となりますし、この「カタン」の醍醐味でもあります。

中澤君は、コンピューターゲームでの「カタン」では、この交渉の部分が人間同士のプレイに比べてあまり面白くないと考えました。その要因として、コンピューターとのコミュニケーションでは「嘘」が出てこないからではないかということに着目し、コンピューター側が嘘をついて交渉に臨むゲームAIを提案しています。以下の図は、彼が作成したゲームAIシミュレーションの実行の様子です。

Nakazawa


「AI」というと、最近は人間を負かしてしまうほど高度になったという話題が多いのですが、ゲームAIでは必ずしも強いAIが求められるとは限りません。どんなに強いAIでも、楽しくなければゲームとしては意味がありません。ゲームAIの研究は、このように「より人間らしく」という方向性の追求も行われており、これについてはまだまだ発展途上な段階と言わざるを得ません。みなさんも、「魅力的なAI」に挑戦してみませんか?


(メディア学部准教授 渡辺大地)

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