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お茶とユーザーインタフェース

2017年12月12日 (火) 投稿者: メディア技術コース

先日、駒込にある六義園に行ってきました。紅葉している景色がきれいで、ネット上で紹介されたのか外国の方も多く訪れていました。園内に茶屋があって景色を眺めながら抹茶と和菓子を楽しめました。写真に撮ったところ(下図、左)赤い毛氈やお盆の背景と合わせてそのシンプルな美しさに感動したのですが、そこで思い出したのがイギリスのアフタヌーンティー(下図、右)です。並べて見ると、同じお茶を楽しむことでありながらそのコンセプトの違いが明快です。色々な種類のお菓子やサンドイッチを豊富に楽しむアフタヌーンティーのセットに対して、日本のものはお菓子が一つきりでお茶の量も少ないのですが、それ故に、それらの味わいがより深く心に残るものになっているように思います。食べることを楽しむことと、体験を楽しむという考え方の違いがそうした内容の違いに繋がっているように思います。

Tea

ところで、この違いを見ていてさらに思いついたことがありました。

下の画像は、ネットTVと呼ばれるような、インターネットによる番組を受信して観るためのテレビ装置のリモコンです。二つのリモコンは、どちらもネットTVのためのコントローラーなのですが、見たとおり全く違うものになっています。左のリモコンは、ビデオ操作の再生や停止などのボタン以外に全てのアルファベットのキーがあるだけでなく、ゲーム用のコントロールのためのキーのようなものまで備えています。逆に右のリモコンはメニュー呼び出しのボタンと音量の操作など、ほんのわずかなボタンしかありません。

Different_ui

この二つは正反対なデザイン思想のもとに作られたと思われます。左のリモコンは、必要な機能が思い浮かぶたびにそれに対応する操作手段を全て加えていったのだと考えられます。ですから、本来TVには必要ないゲームのコントロールも追加されるようなことになったのでしょう。一方で、右のリモコンは、手元で操作する要素として削ることができるものは削ってしまい最小限に必要なものだけ残すという考え方で作られたのだと思います。どちらも共通の目的である、ネットTVの操作を実現しながら、一方はリモコンで全ての操作ができるようなものとなり、他方は操作画面の表示に対して必要な最小限の操作だけを手元で行うものとなっていて、両者が与える操作性には大きな違いがあるでしょう。

この例は、一方が良くて他方が悪いというものではありません。これらは、何を目的とするかによって同じモノに対しても全く正反対に異なるような解がでてくることがあるということを示しています。デザインするということは、これだけの振り幅があるなかから、特定の目的に対して最適なものを選び出す作業だといえるでしょう。

メディア学部教員 太田高志

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