ペーパープロトタイピングによるスマートフォンアプリの企画案の策定
2017年12月10日 (日) 投稿者: メディア技術コース
専門演習I(2年後期)の健康メディアと地域メディアの企画デザインという演習科目の概略とその中のペーパープロトタイピングによるスマートフォンアプリの企画案の策定について説明いたします。
この演習は、①既存のスマートフォンアプリの評価法を学習、②既存のスマートフォンアプリの改善案の提案、③オリジナル企画、④企画レビュー、の4段階で実施されています。①のスマートフォンアプリの評価法には、使い勝手の部分に係るユーザビリティ評価とデザイン面の実現レベルに係るコンセプトデザイン評価の2軸の評価法を学び、具体的なスマートフォンアプリについての評価を行います。この結果の評価の低い部分を改善するという②既存のスマートフォンアプリの改善案につなげていきます。そして、既存のアプリのTPOや5W1Hを分析して、KJ法という多種多様なキーワードを洗い出し、参加者の発想を整序して新しい発想に至るという手法を用いて、新しいスマートフォンアプリの企画を作成します。そして実際にデザインしたスマートフォンアプリの企画を④企画レビューにて最終発表を行います。
今回は③オリジナル企画の最終段階ペーパープロトタイピングについてはこちらを参照してください。
http://blog.media.teu.ac.jp/2017/05/post-2d70.html
まず最初に紹介する企画は、アニメやゲームに登場するシーンを訪問するという聖地巡礼が若い人たちにブームになっていることを対象にします。2016年公開の「君の名は。」に登場する聖地として岐阜県飛騨市が有名です。映画公開後はその地を訪問する多くの若者たちが観光客として訪問し、経済効果200億円とも言われるほど地域活性化に役立っているという事例があります。
https://fledge.jp/article/chihousousei-anime
今回の企画グループはこの聖地巡礼と聖地をキレイにするごみ拾い運動も併せて、「聖地巡礼の際に聖地をきれいにしてしまおう」というスマートフォンアプリを企画しました。聖地でごみ拾いするとポイントを獲得できたり、また聖地でキャラクターと記念撮影できたり、そして、その聖地でポイントを使って買い物できる、といったストーリーのものです。不定期でごみ拾いイベントを開催し、多くのファンの集結を図るといった点も面白いです。
以下に示すように、その画面構成をペーパープロトタイピングによって、手書きで書きあげました(上の画像)。
もう一つ紹介する企画(下の画像)は、二度寝防止アプリの企画です。こういった目覚ましアプリは多数あるのですが、どれも目覚まし時計と似た機能がある程度のものが多いです。ここで、人は恥ずかしい状態になると赤面したりして体温が上がる効果を最大の特徴としています。
生理学的には『活性化兆候』が起こり、アドレナリンが出て、心拍数や呼吸、血圧が増加し、毛細血管が開くので顔が赤くなる、といった生理現象を活用します。
ではどのようにして恥ずかしい状態にするのかといえば、男性ならば、かわいいアニメ声で「○○君、早く起きてー」と繰り返し叫ぶことにより、早く目覚ましを止めないと、隣の部屋や部屋の外にその声が聞こえてしまう、という状況を作り出します。そしてその声を止めようとアラーム停止ボタンを押そうとしても、ボタンが小さく、さらに不規則に動いてしまうのでなかなかアラーム停止ボタンが押せなくて、さらに焦って目が覚めるといった、そういった状況を作り出すことにより、身体をしっかりと起きた状態にする、といった企画です。人間の「恥ずかしいと身体が活性化する」という生理現象を活用した斬新な企画になります。
今後はこの2つの企画をデザインしてプロトタイピングとして仕上げるわけですが、2つの企画とも今後が楽しみです。
(文責:千種)
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