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先端メディアゼミナール「CGプログラミング」

2018年1月 5日 (金) 投稿者: メディア技術コース

先端メディアゼミナールのテーマ「CGプログラミング」では、毎週2コマ連続で少人数のゼミ形式の授業を行います。

最初の2,3回の授業では、プログラミングで一般的に重要な分かりやすいコードを書く練習をします。履修生全員が、まずはプログラム開発では欠かせない「バージョン管理」の環境を整えます。そして、これまでの授業などで自分が書いたプログラムを各自が持ち込み、全員で「コードレビュー」をします。

ソフト開発を行う企業では2人以上でプログラムの一行一行を読みながら内容を確認するコードレビューを行います。これを大学の授業で行うという事例はほとんどありません。少人数の先端メディア科目ならではの試みです。

つぎに行うのがCG技術論文の調査です。各種CG技法が発明されたときの論文を履修生が調べ、自分でその技法をプログラムとして実装してみるための調査です。

テーマを決めたら実際にプログラムを書いて実験します。時間は限られていますので、うまく問題を絞り込んで、技術のエッセンスを修得しつつ達成感も得られるようにすることが大事です。

これまでに取り組んできたテーマは以下のようなものがあります。

  • レイトレーシング法
  • OpenGLによるシェーダープログラム
  • B-スプライン曲面による植物の葉の形状デザイン
  • 空間分割を用いた衝突検出の高速化
  • 流体の自由形状変形
  • 経路追跡法による大域照明

プログラミング言語は、C#やProcessingも使いますが、本格的なコードを書こうとするとやはりC++になることが多いです。授業を通じ、CGのアルゴリズムに関することも学びますが、プログラムを書く上で重要なデータ構造やファイル入出力、テキスト処理などに案外多くの時間を割いています。

先端メディアゼミナールは、履修生が成果を学会で発表できることを目標にしていますが、このテーマからはまだ学会発表は出ていません。まともに新規技術を狙うのではなく、研究テーマ設定を工夫して何らかの新規性を主張できるようにすることが担当教員としての課題と思っています。

メディア学部 柿本正憲

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