プロダクトデザインの研究における外的基準の有無について
2018年1月12日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
プロダクトデザインという言葉を聞くと、スケッチや模型とか、CAD・CGなど、各プロセスで使用する手段やツールを思い浮かべる人が多いと思います。
優れた製品を生み出すためにはデザインに関する研究も重要です。しかしながらデザインについて分析・解析しようとすると、複雑さや曖昧さをどのように扱うかに戸惑うことがあります。
従来から、デザイン研究のためによく使われる分析・解析の手法のひとつとして多変量解析があります。そしてこれを活用した考察のためには、外的基準の有無もひとつのポイントになります。
例えばデザインの人気という外的基準に対して、人気と関係がありそうな複数の要因について考察するためには重回帰分析が役立ちます。データが質的な場合には数量化Ⅰ類を適用できます。
外的基準はなく、デザインに関連しそうな数多くの要因がある場合に、要因を凝縮して全体を俯瞰的に考察するためには主成分分析がよく適用されます。データが質的な場合には数量化Ⅲ類が役立ちます。
これらの手法は線形モデルでの分析・解析となるので、万能に活用できるわけではありません。最近は外的基準の有無に相当するような教師信号の有無に応じた機械学習の研究も進んでいるそうなので、その研究成果はデザイン研究の分野でも活用されるようになるかもしれませんね。
メディア学部 萩原祐志
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