« 【おもしろメディア学】 見ているものをそのまま信じてはいけない.(その2) | トップページ | 今年度の卒業研究「プロダクトデザイン」も最終発表会日が近づきました »

自動運転,その前に.

2018年1月30日 (火) 投稿者: media_staff

こんにちは,メディア学部の羽田です.
本日はヒューマンインタフェース学会論文誌に掲載された本研究室修士学生の関さんの「駐車支援のためのステアリング上舵角指示の検討」という研究を紹介します.
この研究では自動車の運転をサポートするシステムとして,ハンドルの中央部に円周状にとりつけられたLEDディスプレイを利用して,運転を手助けすることを提案しています.

Fujita

今後は自動運転の自動車が増えてくると予想されていますが,自動運転もまだ完璧ではありませんし,たくさんのセンサーを必要とするため安価でもありません.
高級車はともかく,街中を走っている多くの車は当面の間は自動運転になることはないでしょう.しかし,毎日子供やお年寄りの送り迎えなど,毎日の自動車を必要とする人は今でも数多くいます.そんな人の中でもあまり運転が得意ではないという人が安心して駐車するにはどうしたらよいか,という研究です.
最近の自動車はバックするときにはカメラからの映像が表示されることが多くなっていますし,たくさんのカメラと画像処理技術により,車を真上からみた映像に変換してくれるものも普及してきています.これは今の自車の状況を正確に把握し,駐車をサポートするというシステムです.
ところがこのシステムは車の挙動がよくわかっている人にはよいのですが,あまり車に乗り慣れない人には問題があるのです.運転に慣れていない人は,どうハンドルを切れば目指している方向に(バックで)進むのかわかりません.そこで,この研究では駐車位置に誘導するために車の位置を示すのではなく,「いまどれくらいハンドルを切ればよいのか」を教えることとしました.
ハンドルの内側に円形に配置されたLEDがひかることにより,どれだけハンドルを切るべきかをリアルタイムに,視覚的に教えてくれます.
直感的に「あとどれくらい」ハンドルを切るのか教えてくれることにより普段は車にあまり乗っていない人であっても上手に駐車することができるシステムを目指しています.
論文は公開されていて誰でも読むことができますので
興味があればぜひ読んでみてください.
(羽田久一)

研究紹介」カテゴリの記事

« 【おもしろメディア学】 見ているものをそのまま信じてはいけない.(その2) | トップページ | 今年度の卒業研究「プロダクトデザイン」も最終発表会日が近づきました »