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誰か見ている効果

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メディア学部卒業生の皆さん、

 本日は、ご卒業まことにおめでとうございます。
 皆さんはメディア学部の第16期の卒業生ということになります。私から3つのことを申し上げます。
 まず第一に、東京工科大のメディア学部というユニークな学部を卒業した、という誇りをもって社会で活躍してください。メディア学部の卒業生はもっと自信を持って構わない、と私は感じています。ほとんどの方について、みなさん自身が思っているよりも基本的な能力が身についている、と考えを改めてほしいです。
 第二に、学ぶ、ということを続けてください。長い目で見ると、大学で学んだことが直接役に立つ機会は少なく、むしろ、大学で次々と、新しい知識を修得した、新しい概念を理解した、新しい技術の活用法を苦労しながら身につけた、そのプロセスや経験が、社会では役に立ちます。社会に出れば、新しい勉強の繰り返しです。そうやって成長を続ける必要があります。成長しなくてもそこそこでいいや、という考えでは、周りの人たちは成長しますから相対的には自分の価値がどんどん下がっていきます。
 AIで多くの仕事がなくなる、と世の中では言われています。結論からいうと、なくなる以上に多くの新しい職種ができます。そしてメディア学部の出身者は、その新しい職種に就ける側の人たちだ、ということを強調したいです。
 昔、コンピュータの普及により多くの仕事がなくなる、と言われました。実際なくなった仕事もあります。しかし、コンピュータができたために出現した職種は山ほどあります。私自身も30年間プログラマーやSEとして仕事をしましたから、完全に新しい職種に就いた一人です。
 AIについても同じです。どんな新しい職種かはわかりません。多くは現時点で想像もつかないような職種でしょう。世間では、仕事がなくなるー、と危機をあおる人たちがいますが、メディア学部の卒業生としてIT技術の素養を身につけていれば、そして、新しいことを学ぶという姿勢を忘れなければ、絶対に大丈夫です。
 最後に、私自身の個人的な経験から、卒業して社会に出る皆さんに申し上げたいことがあります。それは「誰か必ず見ている」ということです。
 上司・先輩・後輩など同僚、他部署の人、協力企業の人、同業者やライバル企業の人、そしてもちろんお客さまあるいは顧客企業の人です。これから先、あなた自身は、一生懸命やっても誰も認めてくれない、と感じる場合が多い、というかほとんどかもしれません。しかし、だれか必ず見ています。あなたに直接言わないだけです。
 逆も同じで、誰にも分らないように要領よく手を抜いたつもりでも、誰か必ず見ています。
 実は、社会人を5年や10年ぐらいやってもそのことはまったく実感できません。なぜなら、この「誰か見ている効果」というのはほんの少しずつの積み重ねであるうえ、目に見えて発動される機会はめったにないからです。しかし、そのめったにない機会は、昇進とか転職などの重要な局面なのです。
 私自身、会社でリストラされたことがあります。あなたのポジションはもうないです、2か月後が退職日です、これは決定事項です、と言われました。でも、私がリストラという噂を聞きつけた人たち、そのまた15年前に私の上司と部下だった二人ですが、こっちの会社で一緒にやらないか、と誘ってくれました。仕事ぶりを見て憶えていてくれたということです。
 それ以外にもいろんな事例があります。20年、30年と仕事をやっていると、「誰か見ている効果」が発動される様子を目の当たりにすることが多くなります。若手のうちは気づかないだけです。
 最後だいぶ説教くさくなりましたが、教員の職業病と思ってお許しください。
 3つのこと、「メディア学部に自信を持って」「学ぶことを継続」「誰か見ている効果」、どれか一個でも憶えておいていただければ幸いです。
 私たち教員の側も、卒業生の皆さんがずっと自慢できるようなメディア学部にしていくことをお約束します。
 ご卒業おめでとうございます。
メディア学部 柿本 正憲

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