あの事件がなければまだカナダにいたかも知れない
2018年4月21日 (土) 投稿者: media_staff
皆さん、こんにちは! 初めてこのブログに登場します、新任の森川美幸です。
現在FS14を担当しており、6月からは榎本先生に代わって「メディア文化と社会」の講義を受け持ちます。今後はメディア社会コースの教員として、デジタル・ジャーナリズムに関する研究指導を行っていく予定です。報道やノンフィクション、ドキュメンタリーに興味のある方は是非ご相談下さい。
さて、突然ですが、皆さんはカナダのトロントと言えば何を思い浮かべますか。
野球が好きな人は川﨑宗則が所属していたトロント・ブルージェイズでしょうか。
バスケならトロント・ラプターズですよね。
映画が好きな人はトロント国際映画祭を挙げるかも知れません。
実はトロントはメディア学の分野では非常に重要な都市です。
メディア学部の皆さんであれば、トロント学派の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。有名なメディア論者マーシャル・マクルーハンはトロント大学の教授だったのです(※マクルーハンについては「メディア文化と社会」の中でお話しする予定ですので受講生の皆さんはお楽しみに!)。
トロント大学には、私もよく図書館を利用しに通いました。日本語の蔵書が豊富で、学生でなくても読むことができたからです。実は私は約2年間、トロントに住んでいました。マクルーハンの斬新な思想を育んだのがトロントだと思うと非常に腑に落ちます。トロントは多種多様な民族が共存する移民の町として知られ、どんな個性や文化も受け入れる包容力があるのです。
Photo1:トロント大学(森川撮影)
そんなトロントで、私は現地の日系人向けローカル新聞の記者をしていました。地元のイベントや企業、お店の取材に行き、インタビューをして記事を書いていたわけです。何と、4コマ漫画の連載もしていたんですよ(意外と人気がありました。いや、本当に)。
一番記憶に残っている仕事は、プレスとして参加した2001年のトロント国際映画祭です。私は地元メディアとして来加していた岩井俊二監督の単独インタビューに成功。プレス・カンファレンスでは“レクター博士”ことアンソニー・ホプキンスや、のちにアカデミー賞俳優となるマシュー・マコノヒーの話に耳を傾けました。
忙しくも充実した取材活動を続けていた映画祭期間中の9月11日、トロントから飛行機で1時間ちょっとの米ニューヨークで、あの事件が起こったのです。いわゆる9・11のテロ事件です。ご存知のようにこの事件は、その後の世界情勢を一変させてしまいました。そして私のカナダ生活も断ち切られることとなり、ドイツに移り住むことになるのですが……その話はまた別の機会に。
それでは皆さん、これからどうぞよろしくお願いいたします!
Photo2:森川