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メディア社会の基礎の基礎

2018年4月20日 (金) 投稿者: media_staff

メディア学部の羽田です.
連日登場ですが,今日はもう一つの講義科目,「システム基盤技術の基礎」についてご紹介しましょう.
この科目は1年生にむけて,コンピュータとインターネットを中心とした「システム基盤」についての基礎知識を学ぶという科目です.もともとは1年生の秋学期科目だったのですが,今回のカリキュラムの改定にともない,後期から前期に移ることになりました.入れ替わりに「インターネットシステム入門」という科目が後期に開講されることになり,インターネットについての詳しい話はそちらに任せることとし,今年はまずはコンピュータの基礎の基礎を学んで貰おうと思っています.
インターネットとコンピュータは現在のメディア社会に欠かすことのできないものであり,メディアの作成,流通,消費とあらゆる場面での中心的な道具となっています.レコードがCDから音楽配信へと変わり,映画もデジタルシネマ化してフィルムではなくプロジェクタをつかった上映が広く行われるようになっています.
文字メディアも新聞や雑誌といった印刷物よりも数多くのウェブメディアが利用されるようになっており,インターネットはこれらの流通を担う,文字通り我々の日常生活に欠かすことのできない「通信メディア」になっています.
メディア学部の新入生はこのコンピュータを使ったメディアを消費する立場から,最終的にはメディアを生産する立場になっていくことを目標にしてほしい,そのために必要な基礎知識として,コンピュータの仕組みについて学んでほしいということです.
今週おこなわれた第二回,初回はガイダンスなので実質的な授業としては一回目にあたる講義は計算機の基礎ということで,2進数と16進数の話からはじまり,最後は論理回路の話をすることになりました.
メディア学部の学生のみなさんはコンピュータを「使う」立場ではあってもコンピュータそのものを「作る」仕事につくことは殆どないと思います.とはいえ,コンピュータという電子部品の塊がどうやって数を数え,計算を行っているかという原理を知ることは重要ではないかと考えています.いわゆる「コンピュータの気持ちになって考える」ということです.
まずは,スイッチとLEDの組み合わせをつかい「LEDが点く」「つかない」といった組み合わせを考えます.

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これをベースに論理ゲートの話へとすすみます.
論理ゲートはスイッチと同様に2つの入力からどんな反応があるかというものです.
そして最後はこれらのAND やORといった論理の組み合わせを使うことで,どうやって足し算,そして四則演算を実現するのかという話にいたります.

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このトピックは,終了時のアンケート結果を見たところ,かなり難しかった感は否めませんが,このような「論理式」の組み合わせでコンピュータが成り立っており,我々のメディアを支えているということが伝わっていればとおもいます.
本来ならハードウェアの中でも論理回路を取り出すだけでも15回の講義をするのに十分な内容はあるのですが,そこはメディア学部ということで,ごく簡単にもっとも基礎となる部分だけとなりました.
このような基本の中の基本の知識は,具体的にすぐ役立つことはないと思いますが,新入生の皆さんが卒業し,社会に出た後にどこかの場面で「そういえばそんな事も聞いたなあ」と思い出してもらえればと思いながら講義をすすめています.
(羽田久一)

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