世界最大の広告祭「カンヌライオンズ2018」から「サイバー部門」が廃止された理由(メディア学部 藤崎実)
2018年8月13日 (月) 投稿者: メディア社会コース
みなさん、メディア学部社会コースの藤崎実です。
以前も紹介しましたが、毎年6月にフランスのカンヌで開催される「カンヌライオンズ」は、世界中の広告人から注目されます。理由は、カンヌライオンズが、今後の広告業界が進む「道しるべ」の役割を担っているからです。
広告は企業と生活者を結ぶコミュニケーションです。そして時代は常に動いています。10年前にはなかったコミュニケーションが今は当たり前になっています。例えばスマホです。例えば電車の乗り継ぎのアプリです。天気予報も、今やネットで簡単に雲の動きがわかります。大事なことはLINEですぐに連絡が取れます。
つまり、時代が変化して、暮らしが変わってきている以上、広告も形を変えて、どんどん変化しているのです。今の時代にあったコミュニケーションの形で、私や、みなさんが「なるほど」とか「へえー」と思わなければ、広告は失敗なのです。
だから「今はどんな時代」で「どんな広告が人の心を動かし」「広告はどんな道に進むのか」といったテーマは世界共通で広告人の関心事なのです。広告は時代と密接に関わり、時代を反映して常に動いているということ、少しはわかっていただけるでしょうか。
さて、そんなカンヌライオンズで、今年大きな2つの変化がありました。まず、応募カテゴリーの統合です。近年の広告手法の多様化を反映して、カンヌでは応募カテゴリーがどんどん増えていました。それを今年からシンプルなカテゴリーに統合したのです。これも時代を象徴しています。そうです、物事はどんどんシンプルになってきているということです。
そしてもう1つの大変化。それが「サイバー部門」の廃止です!!
カンヌでサイバー部門が設立されたのは1998年。当時はまだインターネットが普及したばかり。でも、バナーや電子メールを上手に活用した意欲的なデジタルクリエイティブがどんどん注目され始め。そこで、今までにない新しい手法としてサイバー部門が新設されたのでした。そして20年が経ち、毎年、インターネットを活用した数々の名作や、素晴らしいデジタルクリエイティブ、デジタルコミュニケーションが注目を集めてきました。
では、なぜ今年廃止されたのでしょうか???
答えは簡単です。インターネットを活用したデジタルクリエイティブやデジタルコミュニケーションは、今や当たり前になったので、あえてカテゴリーを作り、区別するのをやめたのです。今やデジタルの活用は、普通の広告コミュニケーションに溶け込んで、当たり前になり、一般的になったということなのです。
どうでしょうか。こうしたカンヌライオンズ自体の姿勢の変化も時代を反映していると思いませんか? (メディア学部 藤崎実)
(※画像は全てカンヌのサイトから https://www.canneslions.com/)
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