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撥水ガラス上の水滴

2018年8月23日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 車のフロントガラスに撥水加工すると雨粒が粒のままでガラス表面をころがります。私はこの現象を見るのが好きで、自分の車のガラスに撥水加工を施しています。高速道路ではワイパーを動かさなくてもいいくらい気持ちよく水滴をはじきます。
 研究テーマでこれをやってみようと思い立ち、数年前にCGでのシミュレーションを行いました。8月26日のオープンキャンパスでは研究棟Cで実演ソフトを展示しています。
 CGで水の動きを模擬する技術は映画などでもよく使われます。ナビエストークス方程式というかなり複雑な理論をベースに組まれたCGソフトを使います。
 しかし、撥水ガラス上の水滴の動きはもっと単純でも大丈夫です。水滴を基本的には固体の粒とみなします。すると高校物理の力学の初歩であるF=maの運動方程式で動きを記述できます。高校物理の問題でよくある、斜面をすべり落ちる箱の速度を求めるのと同様です。
 水滴にかかる力としては、以下の図にあるような5つの力の合計を考えます。

Dropletforces

 各水滴に対してこの力の合計Fを計算し、加速度をa=F/mで計算し、そこから水滴の速度や位置を求めてCG表示します。水の屈折や粒の変形も考慮します。
 デモ動画はこちらです。背景の景色は撮影したもので、手前のガラス表面の水滴がCGで描いたものです。
 8月26日(日)のオープンキャンパスでは、このデモプログラムを実演します。設定を変えるとリアルタイムで水滴の動き方が変わります。極端な設定をすると、現実にはありえないような動きになったりします。
 興味のある人は、ぜひオープンキャンパスで研究棟Cの4階の424の部屋でデモプログラムを触ってみてください。
メディア学部 柿本正憲

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