ロボットは漫才師の仕事を奪う?
2018年8月28日 (火) 投稿者: メディア技術コース
9/1に開かれるシンポジウム「ロボットはプロの漫才師の仕事を奪えるのか:実演で示す身体性認知研究の展望」にパネリストとして登壇します。
このシンポジウムでは、漫才師「かまいたち」をお呼びし、学会会場を舞台に漫才を披露していただきます。また甲南大学の灘本明代先生がご研究されている漫才ロボットの紹介もあります。
http://www.nadasemi.ii.konan-u.ac.jp/robot_manzai/
最近では人工知能 (AI) 研究の進展とともに「AIによって奪われる仕事」についての議論が盛んとなっています。Frey & Osborne (2013) に端を発するこの議論は、コンピュータとロボットが将来的にどういった種類の人間の仕事を代替することが可能かという問題意識を通じて、そもそもの人間の多様な営みの科学的本質を明らかにする途を開こうとするものです。特に、様々な人間活動のビッグデータをもとにコンピュータが人間の計算論的な認知能力を凌駕しつつある(ないしは囲碁やチェスのように既に凌駕している)現在、身体を持った主体同士のインタラクションにどこまでロボットが接近可能かを考察することは、認知科学および認知心理学にとっての身体性の意義を改めて再考することにつながります。
プロ漫才師である「かまいたち」さんに会場で実演してもらうとともに、同一のネタを事前に実装した2体のロボット同士の漫才実演と対比させます。そして漫才のネタが演者間のインタラクションにおいてどのように実現されているかを、2名のパネリストによる言語的分析と身体メディア分析の両面から掘り下げ、最後にフロアを巻き込んだパネルディスカッションの形で、新たな身体性認知研究の展望を構想しようという企画です。
文責:榎本
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