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スマートホームの夢

2018年9月24日 (月) 投稿者: media_staff

技術コースの羽田です.
先週,ネット通販大手のAmazonが あたらしいスマートスピーカーとそれに接続する製品を発表しました.スマートスピーカーはAIを搭載したスピーカーで,人の言葉を聞き取り,反応することが可能な製品であり,スピーカーに呼びかけるCMなどでもおなじみかとおもいます.
日本では従来製品の改良版に加えて,大きな画面をもったスマートスピーカー(?)が登場しましたが,アメリカのほうではアラームを設定できる壁掛け時計や,ネットワークからON/OFF可能なコンセントであるスマートプラグといった製品が展開されることとなりました.このような家の中で使う家電製品をネットワーク化し,「賢く」使うことをスマートホームと呼びます.このスマートホームは近年のAIブームとスマートスピーカー製品のおかげで一般家庭にも普及しつつありますが,その歴史は案外古いものになります.
それらの元祖ともいうべきものは,1980年代後半から90年代に行われたTRONプロジェクトの「電脳住宅」でしょう.自動でエアコンのみならず,窓の開閉までを行って空調をコントロールし,料理をするときにはレシピを見せてくれたりといった,今でも「未来の家」を感じさせるのに充分なこの電脳住宅は 1988年に六本木に実際に建てられました.
それから30年経ってもそのコンセプトは衰えることなく継承され,今は一般家庭であってもスマートフォンとスマートスピーカーにいくつかの製品を組み合わせることで同じようなシステムが実現できるようになってきています.逆にいえば,この当時に考えだされたコンセプトは30年経っても変化することない完成度であったとも言えます.
30年前は多くの大企業が集まり,国家予算を費やさないと作れなかったシステムも,今では誰もが試すことができるようになってきているとも言えます.この先に大事になってくるのは揃ってきたハードウェアを使って,「どのように使うのか」といったソフトウェアの先の使いみち,使いやすさといった点になるでしょう.
我々の研究室でもそのようなインターフェースとして,過去には「ぬいぐるみを使った家電の操作」のような研究を行っています.このような研究は今後ますます重要になってくるはずだと考えています.
(羽田久一)

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