サイバーとフィジカル
2018年10月19日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
この2つのモンキーの写真を見てください。上はCGソフトで作成した画像です。下は、そのCGデータを使って、3D プリンターで出力した立体です。(色付けは、私が手作業でやりました)
前者はデータによるモンキーで、後者は実物として存在するモンキー。別の言い方をすると、前者はサイバー・モンキー、後者はフィジカル・モンキーと言うことができます。
いままでは、サイバーな世界とフィジカルな世界は、別々に存在するものでした。しかしいま、この「サイバー」と「フィジカル」がお互いに融合し、補い合うことで、新しい世界が生まれようとしています。
たとえば上の写真を見てください。今年、Appleが発表したARKitの新機能を使って、フィジカルなモンキーを、サイバーなモンキーとしてデータ認識した状態を表しています。こうした機能を活用すると、現実世界とデータの世界をつなぐことができるのです。
インターネットやサーバーに存在するビッグデータと、現実の世界が重なりあった、新しい経済価値や、流通システムが始まると世界は大きく変わります。たとえば、トラックの運転手が輸送路の情報をAR(拡張現実)として見ながら運転をしたり、医療現場ではAIを用いた問診や診断が行われる、建築現場では3Dの設計データを重ねて見ながら作業をする。こうしたことが可能となるのです。
こうしたアイデアは「インダストリー4.0」と呼ばれ、ドイツでは、これからの産業界をリードしていく重要なコンセプトとして位置付けられています。実社会にあるフィジカルなモノ、交通、経済などが、サイバーなデータによって支えられることで新たな価値を生み出し、より効果的で安全な社会を作り上げるのです。
メディア学部では、VRやARといったサイバーな世界の研究と、実際にモノやシステムを作るフィジカルな研究の両方が存在しています。まさにこれからの「インダストリー4.0」のコンセプトを牽引していくような研究が生まれることでしょう。
みなさんも、こうした新しいムーブメントの波とともに
メディア学部での研究にチャレンジしてみませんか?
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