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2018年TCC賞グランプリは「UHA味覚糖 さけるグミ」のWebムービー(メディア学部 藤崎実)

2018年11月27日 (火) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、メディア学部社会コースの藤崎実です。

広告業界にはいくつかの広告賞があります。今日は広告コピーに焦点を当てた賞のご紹介です。表題のTCCとは「東京コピーライターズクラブ」の略です。TCCは東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体で、私も会員です。

TCCの会員数は約900人。コピーライターやプランナーによるこれだけ大きな規模の団体は世界でもTCCだけ。誕生は1958年に遡り、今年で60年もの歴史を誇ります。

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(※画像はTCCのサイトよりキャプチャ)

そして1年間の優秀コピーを集めた「コピー年鑑」の第一号が1963年に発刊されます。以降、「コピー年鑑」は毎年発行され、今年で55年冊目。年鑑に掲載されるのは受賞作を始めとした厳正な審査を経た作品だけです。例えば2018年の場合、一時審査66名・最終審査36名、審査期間も約3カ月にも渡り‥。つまり年鑑に載ること自体が相当な名誉だというわけです。

広告は「時代を映す鏡」と呼ばれますが、歴代の受賞コピーには時代性と広告の歴史が反映されています。もしみなさんが、広告研究や社会学の研究をコピーの観点から行う場合、「コピー年鑑」は絶好の教科書になるはずです。

そして、1026日、今年のTCC賞の贈賞式とパーティがホテルニューオータニで開催されました。

今年の一般部門は応募総数5,298点。内訳は、グラフィック2,897点、テレビCM・その他映像 1,293点、ラジオCM
289
点、WEB 819点。その中で頂点立つ、TCCグランプリには、UHA味覚糖のWebムービー「さけるグミ vs なが〜いさけるグミ」が受賞しました。

UHA味覚糖 「さけるグミ vs なが〜いさけるグミ」公開サイト 

UHA味覚糖公式チャンネル内 再生リスト

コピーは、井村光明氏(博報堂)。このWebムービーは、SNSで話題になることを意識して作られたものです。こうした企画意図からも広告の時代性が伺えますね。

TCCにはコピーライターの登竜門とも呼べる新人賞があります。今年は384名の応募に対して最高新人賞1名・新人賞25名が受賞。こちらも今年で言えば14人に1人の割合ですので、かなりの狭き門だということがわかります。

今日はその中からひとつだけご紹介します。「ヘーホンホヘホハイ」です。これは日本マクドナルドで使われたコピーで、期間限定で発売された「ベーコンポテトパイ」のことです。

熱くてハフハフだから「ヘーホンホヘホハイ」。この読みづらいネーミングをTVCMや店頭でポスターを見た人も多いのではないでしょうか。

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※田中雅之氏(ビーコンコミュニケーションズ)のコピー

このコピーの企画のユニークさは、商品名をわざと発音しずらくすることで、注文時の店員とのコミュニケーションに“遊び”の要素を入れた点にあります。注文しやすい商品名にするのではなく、注文しづらいから思わず笑ってしまう。友だちどうしの間で話題になる。こうした楽しさを設計して仕掛けることも広告クリエイターの出番というわけです。


東京コピーライターズクラブのサイトはこちらです。みなさんも気になったコピーや思い出のコピーを検索してみてはいかがでしょうか。    (メディア学部 藤崎実)

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