先端メディアゼミナールIの学生さんが研究会発表
2018年11月25日 (日) 投稿者: メディア技術コース
文責:メディア学部講師 榎本
2018年11月20日(火)21日(水)と早稲田大学で開催された「人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(SLUD)第84回研究会」でメディア学部2年生の学生さん(宮崎太我くん)が研究発表しました。先端メディア学III(2年生前期)で行った研究内容を後期の先端メディアゼミナールIで研究会発表用に書き下ろした内容です。
発表タイトルは「二者間バイアスの間にどう割って入るか」というものです。
こちらの研究室では円滑なコミュニケーションはどのように実現されているのかを解明するのがテーマですが、宮崎くんは、三人会話の中で取り残されてしまった一人が、どうやって他の二人の会話に割って入れるのかに興味を持ちました。
先行研究(アメリカの社会学者Sacksら(1974))は、会話は話し手が代わる代わる入れ替わることによって成立しており、誰が次の話者になるかを2通りあると言います。一つは話し手に名前を呼ばれたり視線を向けられたりするという方法です。もう一つは、聞き手のうちで真っ先に話しだした人が次の話し手になるというものです。しかし、三人以上の会話では、その中の二人が交互に話し、三人目の人がなかなか話せないという状況が生じます。これを「二者間バイアス」と言います。ではこの三人目はどうやって話し手になれるのでしょうか?
宮崎くんが会話データを分析した結果、以下の8通りのやり方があることがわかりました。
1) 横槍を入れる
2) 前の発話を詳細化する
3) 知識的権限に基づいて話す
4) 独り言をいう
5) 誰にともなく発話する
6) 宛先を得て話す
7) セカンドストーリーを語る
8) 司会的な発話をする
詳細は以下の発表スライドをご覧ください。
http://www.cloud.teu.ac.jp/public/MDF/menomoto/CS/Conference/20181120slud.pdf
宮崎くんの発表はとても落ち着いていて堂々としたものでした。他の大学の先生方から「本当に2年生なの???!」と誉めていただきました( *^ ^* )
質問も皆さんからいただき、次の研究課題がたくさん見つかりました。
やはり、たまには大学の外に出て、色々な方に出会うのが良いですね。
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