経済現象の可視化と指標化(1)
2018年12月 8日 (土) 投稿者: メディア社会コース
筆者の前回のブログで、今年度の社会経済システム学会で経済現象の指標化を議論するセッションについて紹介をしました。その報告の一つである、ローレンツ曲線は、一国の所得や資産の分配の不均一性、換言すれば平等性を可視化するべく考えられたグラフです。
まず、その作り方について簡単に紹介しましょう。横軸に所得の低い階級から高い階級に階層別(等人口比)に並べ、縦軸に各所得階級の占める所得割合を累積して作成されます。この構成により、もし、全ての階級で所得割合が同一であれば、この累積度数分布は45度線上に沿って積み上げられたものになり、一方高所得階級に所得が集中するほど、下方向への凸性が強く表れることになるわけです(図1)。
図1
図2は、総務省「全国消費実態調査」より作成した、わが国の、1984と2014のローレンツ曲線です。ローレンツ曲線をみると、確かにわが国では所得分布の格差が拡大していることが視覚的に捉えられる一方、それが一体どの程度なのか、定量的に把握することは困難です。では、どうしたら良いか。次回はこの問題について考えてみましょう。
図2
(榊 俊吾)
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