平成30年度大学院M1中間発表会が無事終了
2018年12月31日 (月) 投稿者: メディア社会コース
2018年12月31日 (月) 投稿者: メディア社会コース
2018年12月30日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース
先日、このブログでもお知らせしましたが、去る12月22日(土)に大学院説明会を開催しました。2年生から4年生まで、学内外合わせて、合計16名の方が参加してくれました。
大学院の講義がクオーター制であることや、大学院では研究活動が中心になること、大学院に進学するメリットなどについて説明しました。学生さんからは、奨学金制度や、留学が可能かどうかなどの質問をいただきました。
内部進学の学生には、4年生の間に大学院の一部科目を履修できる制度(イミグレーション科目)があります。イミグレーション科目を先に履修しておけば、大学院生になってからの講義の履修数が減らせるので、より研究に打ち込むことができるという利点があります。
2年生であれば、学士・修士一貫早期修了プログラムというのがあり、条件を満たせば、学部3.5年、修士1.5年の合計5年間で学士号および修士号を取得することができます。
大学院進学も考えているけれど、説明会には行けなかった・・・という方は、是非、身近な先生にお問合せしてみてください。
(文責:竹島)
2018年12月29日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
コンテンツコースの加納です。
間もなく2019年を迎えようとしておりますが、日本の正月における風物詩、年賀状は書きましたでしょうか。
メールやメッセンジャーアプリの普及に伴い、若い人を中心に年賀状を書く人が減少しているようですが、やはり紙の年賀状のやり取りは楽しいものだと思います。
私は毎年、その年の干支と、数学・物理等の科学を組み合わせた年賀状を考えています。
2018年、戌年は、「マンデルブロ集合」の中から犬のように見える場所を探しました。マンデルブロ集合とは、以下の複素数列において n → ∞ としたときに、| Z_n | が発散しない複素数 c の集合のことです。
実際に、上記の条件を満たす複素数 c を複素平面上にプロットすると、以下のような模様が描かれます。
マンデルブロ集合は、拡大をしていくと類似の形が繰り返し出てくるフラクタル図形の一種としても有名です。私は2017年の12月に、この中から必死で犬に見える模様を探したというわけです。その結果、複素平面上の実部が約 0.3596794372431817、虚部が約 -0.6404544917279563、拡大率が約 32114848.6 周辺に、犬のように見える場所を見つけました。次の動画は、その場所まで拡大する様子をアニメーションにしたものです。
最終的な画面のコントラストを調整したものが、以下の画像になります。
いかがでしょうか。左を向いている犬に見えなくもないと思います。ちなみに、この周辺を拡大縮小すると、同様の形状が繰り返し登場します。もし興味があれば、上記の座標情報を利用して、マンデルブロ集合の中に潜んでいる犬を観察してみて下さい。2019年、亥年の年賀状に盛り込んだ科学ネタは、新年を迎えた後に紹介いたします。それでは皆様、よいお年をお迎えください。
コンテンツコース: 加納
2018年12月28日 (金) 投稿者: メディア技術コース
こちらの記事にもある通り、12月22日(土)に、大学院修士1年生による中間発表会が行われました。修士課程2年間のだいたい中間地点で、研究テーマの選定から研究準備、はやい人だとある程度の研究成果までを合わせて発表していました。当日は、メディア学部教員による優秀発表賞の選定も行われ、厳正な投票の結果、7名が優秀発表賞として表彰されました。下の写真が受賞者の皆さんです。
せっかくなので、受賞した研究のタイトルを挙げておきましょう。
第1位 | 昼間の都市俯瞰画像からの夜景画像の生成(王旭さん) |
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第2位 | 首への熱刺激による VR 体験者への方向提示の提案(伊藤亘輝さん) |
リズムアクションゲームにおける譜面データの自動生成(福永大輝さん) | |
第4位 | ライド型VRコンテンツを用いた視覚刺激の変化による自己主体感への影響に関する研究(沼崎優介さん) |
第5位 | VR空間で全周囲から風を感じる為のファンの配置の検討(小野龍一さん) |
第6位 | POVショット型オーディオドラマにおける恋愛シーンの音響演出 ~「乙女ゲー」との比較を通して~(宮園知奈さん) |
(タイトル非公開)(佐藤佑哉さん) |
どれも面白そうなタイトルで、どんな内容か聞いてみたくなる方も多いのではないかと思います。おそらくこの中から何件も、近いうちに学会発表されるものが出てくるでしょうから、そのときにはまた個別の紹介記事が載せられると思います。乞うご期待!
(大淵 康成)
2018年12月26日 (水) 投稿者: メディア社会コース
3年生対象の授業「ソーシャルコンテンツデザイン」ではWEB3Dコンテンツの作り方を教育しています。今日は一例を示します。分解アニメーションです。
2018年12月25日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
2018年12月24日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部教授 菊池 です.
先日のこちらのページでも特集されているように,スマホは私たちの日常生活に欠かすことのできないデバイスとなっています.
では皆様は,スマホで一番使っている機能(アプリ)はなんでしょうか?
皆様の中には,「う~ん...LINE かなぁ~?」という人も多いのではないでしょうか?
最新の報告( 2018 年 11 月調べ)では,LINE の月間アクティブユーザ数は日本国内では 7,600 万人以上,全世界では 2 億 1,700 万人以上というデータもあります( Social Media Lab からの引用).
このようなデータからもわかるように,多くの人によって利用されている LINE ですが,その魅力のひとつに「LINE スタンプによるコミュニケーション」があるのではないでしょうか?
図.菊池研究室での研究成果によるオリジナル LINE スタンプ
2018年12月23日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース
鶴田です。
12月15日に第25回折り紙の科学・数学・教育研究集会に参加してきました。この研究集会は、年に2回、東京白山で開催されています。
私は「『かげえのおりがみ』にみるシルエットと折り手順についての考察」というタイトルで発表してきました。
『かげえのおりがみ』著:笠原邦彦 は1981年に出版された折り紙のシルエットパズルが掲載されている本です。 折り紙シルエットパズルは与えられた図形を折るための折り手順を考えるパズルです。例えば、下図は「いぬ」という問題とその解答です(下図は鶴田が書き直したものです)。
この本に掲載されている問題は、「目印のある折り方」で「3回だけ折る」というルールで設計されています。目印のある折り方とは、「紙のカドとカドを合わせる」とか「フチとフチを合わせる」といった折り方のことです。
では、このような目印のある折り方だけを使って紙を何回か折ると、どんな形が現れるでしょうか?コンピュータを使ってどんな形が候補にあるかを計算すると、次のような結果が得られました(結果より抜粋)。
この候補の中から形を見立てて、オリジナルの問題を作成してみました(こちら)。ぜひチャレンジしてください!
余談ですが、このような抽象的なカタチを上手く見立てるのはとても難しいことです。今のところは人間がやらないといけませんが、近い将来はAIに見立てさせることができるかもしれませんね。
2018年12月21日 (金) 投稿者: メディア社会コース
2018年12月20日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部教授 菊池 です.
突然ですが...「紙」は皆様が必ずと言っていいほど毎日手にするものだと思います.この「紙」を CG で表現しようとした場合,どのようにしたらいいと思いますか?
紙も布も,CG では有限要素法(Finite Element Method:FEM)と呼ばれるアルゴリズムで計算することができます(もちろん,そのほかにも様々なアルゴリズムがあります).
FEM は,解析的に解くことが難しい微分方程式を数値解析で近似的に解く手法のひとつで,複雑な形状・性質を持つ物体を小部分に分割することで近似し,全体の挙動を予測しようとするものです.
FEM によるシミュレーションでは,(紙や布のような)モデルを細かい三角形に分割して計算を行うのが一般的です(クロスシミュレーションの例は,こちらで紹介していますので是非ご覧ください).
さて,我々の研究室ではこの FEM アルゴリズムを応用して,「書道における和紙の乾燥皺」の CG シミュレーションを行っています.
皆様の多くが,小学生の時などに「書道」を経験しているかと思います.書道で何かしらの文字を墨汁と筆で和紙(半紙)に書いたあと,教室の後ろなどに貼り出されますよね?
すると,時間が経過していくとだんだんと和紙に皺が寄っていくのを覚えていませんか?
そうです!あれです,あれ!(笑)
あの様子を CG でシミュレーションしているわけです.
2018年12月19日 (水) 投稿者: メディア社会コース
2018年12月18日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
来る12月22日(土)に大学院説明会を行います。
大学院ってどんなことやっているの?進学していいことあるの?など、いろいろなギモンにお答えします。学部・修士一貫早期修了プログラムの説明もします。
日時:12/22(土)12:30~13:40
場所:研究棟C 4階会議室
*学年を問わず、どなたでも参加可能です。
*学外の方の参加も歓迎いたします。
*途中での入退場も可能です。
なお、同日同じ場所で、修士1年生の中間発表会が開催されます(10:30~15:30)。
こちらも自由に見学していただけます。
2018年12月17日 (月) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは、メディア学部新任の森川です。
現在、メディア学部の各研究室では、今年配属された三年生を対象に、プレ卒論指導とも言える「創成課題」の授業を行っています。
毎年後期に行われるこの授業、今年立ち上がったばかりの森川研究室で行うのは、もちろん初めて。
研究室によって進め方は様々ですが、私の研究室では最終成果物を卒論の研究計画書と定め、指導や自由学習を行ってもらっています。
学術研究というものに初めて触れる皆さんにまずわかっていただきたいのは、
“「研究」とは何か。”
ということ。
これを読んでくれている皆さんは、何だと思いますか?
白衣を着た人が、実験器具を持ってあーでもないこーでもないと言っているイメージ?
それとも、黒板にわけのわからない数式を書いているイメージでしょうか??
ズバリ研究とは、
「まだ誰も知らないことを明らかにすること」
と言うことができると思います。
さあ、そこで質問です。
“まだ誰も知らないこと”って、どうやったらわかるのでしょうか。
ググる?
いやいや、ググって出てくる結果は、そもそもその信憑性が疑わしかったりしますよね。
ではどうやって??
森川研に所属している学生は、もちろん正解できるはずです(…よね?)。
そう、
「先行研究をレビューする」!
コレです!!
学術研究の世界では、自分で勝手にテーマを設定して、勝手に調査等を行ったところで、何の意味もありません。
まずは、先行する文献から「誰かが知っていることは何か」を明らかにする必要があるのです。ですから、研究の第一歩は、他人が書いた学術論文を読むこと、なのです。
森川研では、まず徹底的な先行研究レビューをすることからテーマの絞り込みを行うよう指導しています。
興味のある分野は学生によって様々ですが、レビューを始めて3カ月、そろそろ皆が目指す研究テーマの方向性がほんのり見えてきました。
どれも面白い研究になりそう!
いつか、このブログでも紹介したいと思います。
本学を志望する高校生の皆さん、在学中の1年生、2年生の皆さん。
「研究」って楽しいですよ。
是非希望を持って、研究室の扉を叩いてくださいね。
(メディア学部 森川美幸)
2018年12月16日 (日) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
大学の先生は成績をつけなければならないので、絶対評価と相対評価ということでいつも悩んでいるのですが、私が研究している「声の品質評価」という分野でも、同じことが問題になります。
声の品質の良し悪しは、本来ならば絶対評価で数値化したいのですが、なんといっても主観的なものですから、なかなか厳密な評価ができません。「とても良い」「良い」「普通」「悪い」「とても悪い」の5段階評価のアンケートを取ったりするのですが、人によって基準が異なってしまうのが悩ましいところです。そんなときには、相対評価のアンケートを取った方が良い場合があります。2つの声を聞かせて、「どっちが良いと思いますか?」と聞くと、わりと安定した回答が得られるのです。
相対評価のアンケート結果でも、たくさん集まれば、そこから絶対評価の値を求めることもできます。ThurstoneとMostellerという人が考えたモデル(*1)では、絶対評価の値を中心として評価が確率的に変化し、その評価値の比較によって相対評価が行われると考えます。私の以前の研究(*2)では、いろんな人に話してもらった「いらっしゃいませ」という声の魅力度を、この相対評価の方法に基づいて分析してみました。
さて、こうした分析方法は、声の評価以外の分野でも使われています。代表的な例として、スポーツのランキング作成があります。スポーツの試合というのは普通は2チームの間で行われるわけですが、そうした試合結果(相対評価)をたくさん集めて、チームのランキング(絶対評価)をしてみようというわけです。せっかく研究用にプログラムを作ったので、そのプログラムで、2018年の日本のプロ野球チームのランキングを推定してみました。その結果が以下の図です。
横軸にペナントレースの勝率、縦軸にThurstone-Mostellerモデルのスコアをプロットしてみました。こうしてみると、リーグ内での上下関係は普通の順位通りになりましたが、リーグ間の関係に顕著な差が現れました。これは、交流戦でパシフィックリーグの成績が良かったためだと思われますが、こうしたものが数式だけから簡単に計算できるのも面白いですね。
(*1) F. Mosteller, "Remarks on the Method of Paired Comparisons: I. The Least Squares Solution Assuming Equal Standard Deviations and Equal Correlations," Psychometrika, Vol.16, No.1, pp.3-9 (1951)
(*2) Y. Obuchi, "Personalized Quantification of Voice Attractiveness in Multidimensional Merit Space," Interspeech, Stockholm, Sweden (2017)
2018年12月15日 (土) 投稿者: メディア技術コース
2018年12月14日 (金) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
みなさんは、「音」というとどんなものを思い浮かべますか?
メディア学部では、様々なメディアをIT技術で分析・加工するため、音もデータの一種として扱います。つまり、音を単なる数値の列として扱うということです。これは逆に言うと、どんなものであれ数値の列があれば、それを音に変換することができるということです。こうした技術を「可聴化(sonification)」と呼びます。「可視化」とか「見える化」といった言葉は良く使われますが、それの聴覚版ですね。
試しに、気象庁のデータベースから、東京都八王子と、沖縄県与那国島の約40年分の平均気温データを取ってきました。グラフにするとこんな感じです。
このデータを可聴化してみましょう。CDなどの音データは、1秒に44100個の数値があるという設定なので、44100日分が1秒になるようにします。温度をそのまま使うと、ちょっと音量が小さすぎるので、全体的に増幅してみます。ついでに繰り返し再生するようにしてみると、結果はこんなふうになりました。
どちらも、1年365日が基本的な周期になっているのは同じなので、似たような雰囲気の音にはなりますが、微妙に音色が違うところもありますね。だからといって何かすぐに役立つわけではありませんが、こういうデータを集めて試し聞きをしていると、そのうち何か面白い発見があるかも?
2018年12月13日 (木) 投稿者: メディア社会コース
2018年12月12日 (水) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは、飯沼瑞穂です。11月28日付の日本経済新聞の私見卓見のコーナーに
2018年12月11日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
2018年12月10日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
齢を重ねるほど時間経過を早く感じますが、今年も12月、というわけで今年度の卒業研究「プロダクトデザイン」も終盤に近づきました。
すでにご報告の通りですが、卒研メンバーは全員、採択案が決まり、提案物の最終的表現の段階へと進んでいます。今は3Dモデリングシステムで詳細形状を詰めながら、3Dプリンタでも出力し、具現物としての確認も行う段階に入っています。
各人ともPCに向かう時には個々の作業に集中しますが、ゼミではPC画面やプリント物を提示し、最後まで意見交換を行います。この卒業研究は、メディア学部におけるプロダクトデザイン提案なので特にデザイン解導出に至る飛躍なきプロセスを重視しています。自己満足での提案は研究としては認められないというルールで進めています。卒研生はデザイン学部の学生とは違いますので、各自のスキルに特徴があります。調査が得意なひと、スケッチが得意なひと、アイデアが豊富なひと、PC操作が得意なひと、いろいろな人が集まっています。今は3DモデラーなどのPC操作スキルが得意なひとが苦手なひとに助言している光景をよくみかけます。助言しあっている心地よい光景です。今年度も全員、無事に終了・卒業できると思います。
メディア学部 萩原祐志
2018年12月 9日 (日) 投稿者: メディア社会コース
前回のブログでは、一国の所得や資産の分配の不均一性を視覚的に捉える、ローレンツ曲線について紹介しました。しかし、ローレンツ曲線では、その不均一性の存在や、拡大が一目瞭然であっても、それが一体どの程度なのか、定量的に把握することは困難であるという問題がありました。このため、社会において、所得分配をどの程度是正したら良いのか、経済政策を具体的に論じることができません。そこで、今回は、ローレンツ曲線をもとに、分配の不均一性を定量的に捕捉する、ジニ係数という指標化の方法について紹介しましょう。
まず、ローレンツ曲線のグラフを描きます。そして、45度線とローレンツ曲線で囲まれる半月状の面積が、45度線と横軸で囲まれる直角2等辺三角形の面積に占める割合を計算し、その値が0から1の間を取るように定量的に定義したものがジニ係数です。ローレンツ曲線の構成上の特性から、ジニ係数は0に近いほど平等性は高く、一方、値が上昇して1に近くなるほど不平等性が高くなるように作られています(図3)。
図3
OECDの統計から、1970年代以降の欧米諸国のジニ係数の推移を見てみましょう。長期的な趨勢としては、各国とも市場原理を重視した結果、所得分配の不均一性が高まっています。しかし、米、英、日で高水準に推移する一方、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの北欧諸国では0.1ポイント強低い水準に維持されている点に注意が必要です。これは、各国の社会/財政制度が如実に反映された結果と言えるでしょう(図4)。
図4
前回と今回の二回にわたって、ローレンツ曲線とジニ係数の、それぞれ可視化と指標化としての優れた特性について見てきました。いずれも非常にうまく考えられていることがわかったかと思います。しかし、欠点もあります。この問題に点に関しては、次回紹介しましょう。
(榊 俊吾)
2018年12月 8日 (土) 投稿者: メディア社会コース
筆者の前回のブログで、今年度の社会経済システム学会で経済現象の指標化を議論するセッションについて紹介をしました。その報告の一つである、ローレンツ曲線は、一国の所得や資産の分配の不均一性、換言すれば平等性を可視化するべく考えられたグラフです。
まず、その作り方について簡単に紹介しましょう。横軸に所得の低い階級から高い階級に階層別(等人口比)に並べ、縦軸に各所得階級の占める所得割合を累積して作成されます。この構成により、もし、全ての階級で所得割合が同一であれば、この累積度数分布は45度線上に沿って積み上げられたものになり、一方高所得階級に所得が集中するほど、下方向への凸性が強く表れることになるわけです(図1)。
図1
図2は、総務省「全国消費実態調査」より作成した、わが国の、1984と2014のローレンツ曲線です。ローレンツ曲線をみると、確かにわが国では所得分布の格差が拡大していることが視覚的に捉えられる一方、それが一体どの程度なのか、定量的に把握することは困難です。では、どうしたら良いか。次回はこの問題について考えてみましょう。
図2
(榊 俊吾)
2018年12月 7日 (金) 投稿者: メディア社会コース
さる10月27日(土)、28(日)、静岡大学浜松キャンパスで2018年度社会経済システム学会第37回全国大会が開催されました。会場となった静岡大学工学部は、その前身の浜松高等工業時代の1926年12月25日に、高柳健次郎博士が、世界初のブラウン管テレビ受像に成功したことで有名です(公益財団法人高柳健次郎財団ホームページより)。
当日の開催プログラムは下記の学会ホームページを参照してください。
http://jasess.jp/wp/wp-content/uploads/c-u/2018/dcbc05271616be073de342963a56cd8d.pdf
筆者は、分科会I「経済システム1」の座長を務めました。当日の報告は下記の2件でした。
累進課税制度とローレンツ曲線上の接線の傾きに関する一考察
経済複雑性指標に関する研究動向レビュー
上記報告は、いずれも経済指標に関するテーマです。指標化は、経済データを様々に加工し、数字の背後にある経済特性を明らかにしようとする手法です。
第一報告は、ローレンツ曲線および、これを基に指標化したジニ係数は、社会における所得や資産分配の不均一性(不平等性)を計測するもので、本学で筆者の担当する講義でも、実際に表計算ソフトで作成しながら紹介している項目です。第二報告では、現代経済社会を規定する重要な要因でありながら、直接計測することの難しい知識やノウハウを、ネットワーク手法を利用して評価した、先端的な研究動向をレビューしたものでした。
いずれの報告も若い研究者による意欲的なもので、会場における質疑でも、今後の研究に大きな示唆を与える有意義な議論が行われました。今後の経済社会における極めて重要な論点を扱ったテーマであり、今後の進展が期待されます。
(榊 俊吾)
2018年12月 6日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース
2018年12月 5日 (水) 投稿者: メディア技術コース
到着編の続きです。前回の記事にありましたように、11月22日~24日に台南で開催された学会(ADADA International 2018)に参加いたしました。22日の朝、会場の大学はホテルから道を挟んですぐなので迷いようが無いと思っていましたが、場所をあまり良く確認せずに来てしまったためキャンパス内に入ってからうろうろしてしまいました。敷地はかなり広いようです。
国立成功大学の入り口(の一つ)
会場となった成功大学は台湾では名門大学として知られている大学とのことです。大学名は「成功するように」ということから来ていると思ってしまいますがそうではなく、台湾の英雄「鄭成功」という人の名からつけられたということです。会場となった建物は、日本の統治時代に歩兵隊の事務所兼宿舎として建てられたもので、観光のスポットにもなっているようでした。
会場となった建物
2018年12月 4日 (火) 投稿者: メディア技術コース
2018年12月 3日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
2018年12月 2日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース
2018年12月 1日 (土) 投稿者: メディア技術コース
台湾の南部の都市の台南で、11月22日、23日に開催された学会(ADADA International 2018)に参加いたしました。別のブログで報告した義守大学を訪問した日の午後に、高雄から電車に乗って台南に移動しました。高雄と台南は電車で30分程の距離で、電車も空いていて快適な移動でした。高雄市内にはMRTと呼ばれる地下鉄が市内を走っているのですが、台南へは都市間をむすぶ別の電車を利用します。切符を買うのには窓口で「台南」ととりあえず言ってみたらさすがにこれくらいは通じて購入することができました。切符は急行、指定席で86元でしたが、これは大体320円くらいの値段でしょうか。急行と思えば安い値段です。
新左榮駅から台南駅までの切符
ホテルは駅からでるとまさに真ん前にあり、翌日からの学会の会場がある成功大学もホテルの対面にあり、すぐそばでとても便利な場所でしたが、街の賑やかな場所からは若干離れておりました。観光目的ではないですからこれはしょうがないですね。
電車内部、台南駅内部、台南駅外観
ADADA とは、Asia Digital Art and Design Association という学会です。ゲーム設計やメディアアートなどから、インタラクティブな仕組みについてまでをテーマとして扱っています。その名前からわかるように日本、韓国、インドネシアをはじめとするアジアの国が主体なのですが、今回はCUMULUSというフィンランドに本部を置く学会と共同主催だったためか、カナダやヨーロッパからの参加者もいて国際色が豊かな会でした。東京工科大学のメディア学部からは、教員が6名、大学院生が2名参加しました。
学会の内容については、「学会参加、学会編」に続きます。
太田高志