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氷の3Dプリンターふたたび

2019年1月28日 (月) 投稿者: media_staff

技術コースの羽田です.
先週の後半は学生とともに石垣島での情報処理学会のCDS/DCC/GN合同研究会に参加してきました.1月の石垣島はTシャツ1枚とまではいきませんが長袖に1枚あれば十分という暖かい気温の中,こんな遠いのに(遠いから?)多くの参加者に恵まれた学会となりました.
我々の研究室の1つめの発表となるのは,修士2年の学生である藤田くんが研究している氷の3Dプリンタです.氷での造形については何度か紹介していますが,今回はまったくの新しい機構となって今回の学会が世界初登場です.
今回の3Dプリンタは,前回までのガスボンベからの気化熱を使って作る方式ではなく,水を凍らせる台を液体窒素で冷却し,その上に水を表面張力で形を保つ程度に垂らしながら線を引いて造形するというものです.プリンタの先端から出た水は非常に冷たいアルミの台やその上の氷に触れるとすぐに氷となってしまうというわけです.簡単な機構なのですが,かなり精密に氷を積層でき,かつ比較的高速に作れるというところが最大の特徴になります.
今回の発表では,「まずは思ったとおりの氷を作ることができる」という段階なので,今後はより完成度の高い造形物を作成したり大きな作品を印刷してみる必要があるでしょう.

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国際会議や学会を通りぬけてきた修士2年生だけあって発表自体もわかりやすく,内容も非常に伝わりやすかったためか,非常に多くの質問が出ていました.彼も卒業まではあと2ヶ月なのですがさらなる進展を期待したいと思います.
我々の研究室はメディア学部の中でも「物体」を扱う数少ない異端の研究室ですが,コンピュータの進化にともないその成果を日常にとりこむためには,このようなハードウェアや素材と一体化したメディア研究がますます大切になってくるのではないかと思っています.
(羽田久一)

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