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【研究紹介】お城を数値で作り上げる!:日本城郭のプロシージャルモデリング

2019年1月22日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

最近の映像コンテンツではロケーション撮影やミニチュアによる特撮ではなく,3DCG を用いた広領域な背景を表現するものが多くなっています.
実写ではなく 3DCG を用いる利点は,大きな世界観を持つコンテンツの場合でもビジュアル化が可能である点が挙げられますが,その一方でどうしても必要となる CG モデルの物量とクオリティの確保,および膨大に膨れ上がる制作パイプラインの管理などが課題として挙げられます.

そこで,都市景観やビル群,建築物などの生成規則をルールとしてまとめ,パラメータ制御によってモデルを半自動的に生成してしまうプロシージャルモデリングという手法が多くみられるようになっています.

”プロシージャル”とは日本語で”手続き”と訳され,モデルの生成規則を手続きとしてコンピュータにインプリメントし,その規則に則って自動的に形状を生成してしまおうというものです.
プロシージャル・アニメーションに関する解説は,こちらもご覧ください.

我々の研究室では,戦国時代をシミュレーションしたゲームや映画などの映像コンテンツで利用できる「日本城郭(いわゆるお城)」をプロシージャルにモデリングする研究を行っています[1].

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図.「日本城郭のプロシージャルモデリング」の研究成果例

本研究では,下図に示すように日本城郭を構成する要素を分類し,その親子関係を構造化・関連付けすることで建築規則をモデル化しています.すわなち,各構成要素の生成規則を数式でモデル化し,さらに要素間の生成規則を関連付けることで,数値パラメータを調整するだけで日本城郭をモデリングすることを可能としました.

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図.日本城郭の構成要素と親子関係


数値パラメータのみでモデリングしている様子をご覧ください.




今後は,縄張や曲輪の自動生成手法の確立などを目指す予定です.

「歴史が好き!」とか「数学大好き!」とか「複雑な建築物に萌える!」という人は,是非一緒に研究をしましょう!

[1] 藤野真吾,伊藤智也,菊池 司,”日本城郭のプロシージャルモデリング”,画像電子学会 VC ワークショップ 2018,概要集,2018.

文責 : 菊池 司

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