流行を超えて定着した「メディア」
2019年1月 1日 (火) 投稿者: メディア技術コース
明けましておめでとうございます。
東京工科大学にメディア学部が設立されたのは1999年4月です。今年はメディア学部20周年の記念すべき年です。
メディアの語源は「媒体・媒介」です。情報を媒介して多くの人に伝える放送や報道の機関という意味でかなり以前から「マスメディア」が使われていました。
1980年代、PCやインターネットが専門家やマニアの間で使われ始めると、80年代後半には「マルチメディア」という言葉が流行し始めました。当時にしては大量のデジタルデータを格納できるCD-ROMがPCにつながり、画像や動画もデジタル情報として扱えるようになったことがきっかけです。
この流行の始まりの段階で1986年に大学組織として「メディアラボ」を設立したのがマサチューセッツ工科大学(MIT)です。組織名にするということは「メディア」が単なる流行ではなく一般に定着する言葉になると考えていたわけです。先見の明があったということです。
「マルチメディアの流行」は90年代に入りインターネットの普及とともにさらに拡がりました。「メディア」を社名に含む会社がたくさん生まれました。私も一時、30人ほどの小さな会社の「マルチメディア事業部」に所属していました。90年代は「メディア」という言葉がある意味安売りされた時代でした。
そんな中で、東京工科大学は日本で最初のメディア学部設立を計画しました。母体となる学部を改組するのではなく、ゼロから組織を起ち上げたのです。
初代メディア学部長の相磯秀夫先生は、当時、慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科の委員長でした。「メディア学を学部レベルで教える」ことを提案して東京工科大学に移籍されました。メディアは単なる流行ではなく定着する学問だという慧眼を持っておられたのです。現在、日本の大学で「メディア」を学部学科名に含む組織数は約70に上ります。
設立当時に相磯先生が提唱された「表現」「環境」「技術」は、現在もメディア学部の3つのコア領域として重要な概念です。例えば学生が2年次で選択する「メディアコンテンツコース」「メディア社会コース」「メディア技術コース」という名称もコア領域を強く意識したものです。
メディア学部設立から20年を迎え、卒業生が社会の中核で活躍する場面はどんどん増え始めています。世の中に貢献する形はさまざまですが、慧眼と勇気をもって新領域を切り拓く人々が多数輩出する学部になるよう努力を続けていきます。
本年も東京工科大学メディア学部をよろしくお願い申し上げます。
メディア学部 柿本 正憲
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