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一文を短く

2019年1月24日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 今週はメディア学部4年生の卒業論文の提出締切がありました。2月初旬の最終発表会に向けた準備もありますが、まずはひと区切りです。
 
 通常の授業レポートと異なり、卒論の表紙には指導教員の氏名も記載されます。指導教員にも内容に対する責任があります。ですので、提出前に指導教員がチェックします。
 
 今までたくさんの卒論について指導してきました。研究内容はもちろん、私の場合文章の指導もします。その中で、一番簡単かつ効果的に文章を良くする方法について今日は書いてみます。それは、一文を短く、ということです。
 
 この指示は、ちゃんと守っているかどうかチェックするのが極めて簡単です。形式だけ見ればいいですから。実際、卒研生たちにも、正味2行を超える文は原則切って短くするように言っています。項目の羅列が多くて長くなる場合は、箇条書きを使わせます。
 
 書くときに文を短くすることを心がけると、内容の整理もできます。文が長いと、論理構造が悪くても何となく書けた気になってしまいます。書く人が何となくしかわかっていなければ、読む人に正しく伝わるわけがありません。文を短く切ることによって、文と文との間の関係がより明確になります。論理のつながりが悪い場合、よりはっきりと露呈します。書きながら内容確認がやりやすくなるのです。
 
 文同士のつながりがわかりやすいと、指導する側も論理や内容のチェックに集中できます。また、文が細かく分かれていることで、指摘箇所の特定も楽になります。例えば、この文は前の文の理由説明のはずだがそうなっていない、とか、前の文と同じぐらい抽象的に書くとよい、という言い方ができます。
 
 日本語の弱点の一つに、主語と述語が離れてしまう問題があります。文が短ければ、そもそもこの二つが大きく離れることは起こりません。主語と述語との形式の整合が取れていないねじれ現象も検出が容易です。
 
 このように、一文を短くするといいことがたくさんあります。ぜひお試しください。
 
 文章の書き方を文章にするのは勇気が必要ですね。この文章も短い文でわかりやすくするために普段以上に緊張しました。
 
メディア学部 柿本 正憲

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