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学際分野で自分の強みを発揮するということ

2019年1月21日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。今日は、バリバリの理系の皆さんに向けて、私自身の話を少ししようと思います。

私は、大学院で物理学を学んだあと、企業の研究所で、主に音声認識の精度を上げるための方式の研究をしてきました。ひたすらデータを集めてアルゴリズムを考え、実験をして論文を書く、まさに理系そのものといった仕事です。

そんな私が、縁あって東京工科大学のメディア学部で働くことになりました。メディア学部は、文系、理系、さらには芸術系の研究分野もカバーする、学際的な学部です。最初はちょっと戸惑いましたが、そこでこれまでとは違ったセンスを持った人たちに出会えたことで、私の研究も大きく変わってきました。

そんな出会いの例として紹介したいのが、学部2~3年生に向けた「先端メディア学/先端メディアゼミナール」という科目です。私はこの中で「AIによる音響分析」というテーマを担当していますが、このテーマでは、これまでわずか3年半の間に、2・3年生だけで6件もの学会発表をしています。以下がその一覧です。

 

これらのテーマに共通するのは、音の分類に関する何か面白いテーマを見つけて、それに関するデータを集め、そして機械学習のツールを使って自動分類をやってみたということです。機械学習は私の得意分野ですが、それをどんなことに応用したら面白いかを考えるには、独特のセンスが必要です。ところが、メディア学部の人たちは、教員も学生もそれぞれ多彩な興味や専門分野を持っていて、私にはとても思いつかないような応用先を考えてくれます。こうして、面白いテーマを考えてくれる学生さんたちの強みと、機械学習の手法についてアドバイスができる私の強みが組み合わさり、次々と学会発表という成果に結びついているというわけです。

こうした協力は、教員と学生という組み合わせに限らず、教員と教員、学生と学生といった組み合わせでも可能です。自分はバリバリの理系だと思っている人でも、もしかしたらメディア学部のようなところでこそ、自分の強みを発揮できるかもしれない、そんな気がしませんか?

ちなみに今年の春にも、「先端メディアゼミナール」の成果で学会発表をする予定です。その内容については、後日あらためてブログに書くつもりですので、どうぞお楽しみに。

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