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【研究紹介】プロジェクションマッピングはエンタメだけじゃない!プロジェクションマッピングによる動作支援

2019年1月15日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

皆さんは「プロジェクションマッピング」というと,何を思い浮かべるでしょうか?
東京ディズニーランドのそれや東京駅でのものを思い浮かべる人も多いことと思います.

このように,「プロジェクションマッピング」というと「エンターテインメント分野」のコンテンツを想像される方が多いと思いますが,プロジェクションマッピングとは「映像を実際に存在する物体にマッピング(投影)することで,ある種の錯覚を利用して鑑賞者の印象を操作する」モノであると捉えるならば,その利用方法はなにもエンターテインメント分野に限ったものではないと思われます.

我々の研究室では,「プロジェクションマッピングによる階段の昇降動作支援」に関する研究を行っています [1].

この研究では,プロジェクションマッピングを活用して,階段にどのような映像を投影すると階段を上り下りするのが”楽だ”と感じるのか,すなわち「昇降動作を支援」することが可能となるのかを明らかにすることを目的としています.
研究では様々な映像を制作し,実際に階段にその映像をプロジェクションマッピングした状態で被験者に階段を上り下りしてもらう実験を行いました.

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図.実験の様子

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図.階段にプロジェクションマッピングした映像の例


実験の結果,進行方向に矢印が流れる映像を流すことで,階段の昇降を楽に感じさせることが可能であることが明らかになりました.また同様に,逆方向に流れる映像の場合は,歩行者に抵抗感を感じさせることも明らかになりました.
さらに,映像を「おもしろい」と感じる場合には昇降動作が「楽に感じる」傾向があることもわかりました.

しかしながら,映像の色の寒暖差や,特に下りの場合の「危険性」に関する検証がまだ不十分であるため,今後も引き続き研究を続けていこうと思っています.

この研究成果を応用することで,「東京オリンピック」や「大阪万博」のようなたくさんの人が集まるような場所でも,安全で快適な移動を支援することが可能となるかもしれません.

[1] 梅田風四郎,菊池 司,”プロジェクションマッピングによる階段の昇降動作支援”,映像情報メディア学会技術報告 ITE technical report 41(12), pp.1-4,2017


文責 : 菊池 司

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