3学年合同で最終発表してみた
2019年2月17日 (日) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の渡辺です。こんにちは。
他の先生方も多く当ブログで紹介しておりますが、2月1日に私の研究室でも卒業研究最終発表会を開催しました。今年度は試みとして、2年次生である先端メディアゼミナールの最終発表と、3年次である創成課題最終発表も合同で同会場で行ってみました。(当日うっかり撮影を忘れてしまい、今回は写真がありません。すいません...)
3学年合同となると、人数も多いため朝から夕方まで(昼食時間を挟んで)行われることになります。やる前は、聴講者が疲労してしまったり、飽きてしまったりするのを心配していましたが、結果的に言えばかなり良い効果の方が大きく、これは他の先生にもお勧めしたいと感じました。
まず大きなメリットとして「聴講人数」があります。今回は先述した3学年の他に大学院修士1年も呼びまして、総勢が約45名くらいになります。この45名の学生達はいわば私が強制的に呼び出した学生達なわけですが、実はその全員を把握しているのは会場内で私だけであり、学生達からすると「誰が何年生なのかもわからないし、そもそも渡辺研の学生なのかどうかもわからない」という状態の聴講者が会場内に数十名いる状態になります。結果として、見学者も入ってきやすいんですよね。実際の所、私から見れば大半の私の研究室学生と数名の見学者という状況になっていても、当の学生達からすると「自分は大勢の中の一人」という程度の認識になります。こうして、多人数の前で口頭発表するわけですから、発表する学生達にとっても頑張ってきた甲斐があったというものです。
また、学生達が縦のつながりを意識できたことも良かったように思います。この最終発表は教員に対して単位を認定してもらうための試験のようなものであり、他の学生達は自分の評価には直接は関係ありません。しかしながら、やはり他者、特に他の学年の学生に発表を見られるというのは、相手が先輩であっても後輩であっても結構なプレッシャーになるものです。2年、3年、4年それぞれに「他の学年も一緒に発表してもらうよ」と告げたとき、全ての学生の学生がそれを聞いた瞬間にほぼ同じ表情をしたのはとても面白かったです。お互いとても刺激になったのではと思います。
発表は午前中から、若い学年から順番に行っていきました。最初の発表は2年次生の先端メディア学生による研究発表です。先端メディアは成績優秀でかつ私の担当科目で優秀な成績を取得した学生だけが履修できるいわば「精鋭部隊」であり、そういった学生でなければついていけないような内容を教えています。そんな学生達の発表ですので、さすが2年次であっても先輩達に後れを取っていません。今後がとても楽しみになる成果ばかりであり、質疑も立派にこなしていました。
3年次の創成課題は、まだ研究としての新規性は無視しても良いという前提で、好きなことを研究してもらいました。これは、「教員が関与せずに学生に研究してもらうと何が起こるのか」の社会実験のような側面もあり、私にとっても興味深いものなのですが、かなり各自の個性が出てきてて面白かったです。そして大抵は、「自分としては新しいつもりだったが、やってみて発表してみるとどこかで見たようなものを言葉を換えてただけだった」的な状況が多く、やっぱり指導せずに進めるとそうなるのだなぁと実感しました。
その後、早期配属制度を適用した2名の学生が「卒研I」の発表を行いました。この2名は現在3年次生ですが、あと半年で学部を卒業して大学院生となり、学部入学から5年間での修士卒業を目指します。実はこの2名は既に昨年秋に学会で発表を行っており、今回の発表もほぼ学会発表時の内容で良いとしていたので、発表にも余裕が感じられました。
最後の4年次生は卒研最終発表ということで、多くの2年次生も見学に来ました。実は、4年次生の発表は何度もリハーサルをしては修正指示を繰り返し、多い学生は6,7回もリハーサルをやりなおしていましたので、さすがにどの学生の発表もスムーズに流れていきます。2年次生の先輩を挑発していくかのような鋭い質問が印象的でした。彼らからすると「1年間かけてこの内容なの?」という感想を持ったかもしれませんが、それがどういうことなのかは2年後になったら深く理解することでしょう。
私にとっては、教えてきた学生達が一同に会してお互いの研究について意見を述べ合う場となり、とても感慨深いものがありました。私自身にとっても、「頑張って教えてきた甲斐があったな」と思わせてくれる素晴らしい一日でした。今からもう来年の最終発表が楽しみです。
(メディア学部准教授 渡辺大地)
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