祝・『未来のミライ』アニー賞長編インディペンデント作品賞受賞!
2019年2月 6日 (水) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは、メディア学部新任の森川です。
2月3日に発表された第46回アニー賞で、細田守監督の『未来のミライ』(2018年公開)が長編インディペンデント作品賞を受賞しました。
アニー賞とは、国際アニメーション映画協会が主催する“アニメーション界のアカデミー賞”。
とても権威のある賞なのです。
日本でこれまで受賞したことがあるのは、2002年に長編作品賞を受賞した宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』のみ。
長編インディペンデント作品賞は、2015年に新設された賞で、独立したスタジオやアニメーターの作品、かつ、アメリカであまり大きく公開されていない作品に贈られます。
その賞が、今年は『未来のミライ』に贈られたというわけです。
『未来のミライ』は、細田監督が、自分の子どもたちをモデルに描いた、子どもが主人公の映画。
生まれたばかりの妹“ミライちゃん”に両親を取られた気持ちになり、戸惑うお兄ちゃんのくんちゃんが、未来からやってきたという高校生のミライちゃんと出会い、不思議な冒険を繰り広げるというストーリーです。
細田監督作品と言えば、『サマーウォーズ』(2009)や『バケモノの子』(2015)など、迫力のあるSF冒険活劇を思い浮かべる人が多いかも知れません。
しかし、今回のこの『未来のミライ』は、細田監督自身が「プライベートな、小さな作品」とコメントしているように、それほど大規模で派手な映画ではありません。
とてもリアルな子どもの描写は、アニメと言うよりむしろファミリードラマを見ているようです。
しかし、冒険を経てくんちゃんが少しずつ「お兄ちゃん」になっていく姿や、命がつながっていく表現・描写は、国や人種を超えて人々の心を打つものになっていると思います。
だからこそ、こうやって海外でも高く評価されているのでしょう。
実は私がこの学校に着任する前に勤めていた会社で、細田監督作品のCGパートを制作していました。
『サマーウォーズ』から始まり、『おおかみこどもの雨と雪』(2012)、『バケモノの子』、そしてもちろん今回の『未来のミライ』と、細田組に参加していたのです。
私自身は『未来のミライ』の完成を待たずしてこの大学に移りましたが、皆が一生懸命制作している姿は見ていましたし、細田監督が所属しているスタジオ地図とのご縁もありましたので、今回の受賞はとても誇らしく感じました。
惜しくも受賞は逃しましたが、本作はゴールデングローブ賞アニメ賞にもノミネート。
そして何と、アカデミー賞の長編アニメーション映画賞にもノミネートされています。
同賞には今年のアニー賞長編作品賞を受賞した『スパイダーマン: スパイダーバース』もノミネートされており、下馬評では一歩抜き出ている感じですが、きっとアカデミー賞は日本アニメの素晴らしさを世界にアピールできる格好の舞台となることでしょう。
今年のアカデミー賞の発表はLA時間2月24日・日曜日(日本時間2月25日・月曜日)。
日本からは他にも外国語映画賞に是枝裕和監督の『万引き家族』もノミネートされています。
是非注目してくださいね!
(メディア学部 森川美幸)
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