トップレベルの論文を読み込む「CG技術特論」(大学院授業紹介)
2019年3月13日 (水) 投稿者: メディア技術コース
大学院メディアサイエンス専攻の講義「CG技術特論」では、履修生がCG(コンピュータグラフィックス)研究論文を何本か読み、内容を発表する授業を行っています。
一般には、CGというと作品制作に注目が集まります。ですが、その作品制作を支える技術が背後にあります。というより、技術者研究者が「それまでにない面白いCG技術だ」と思って考え出したアルゴリズムの発明が先にあります。
そのような発明が無数に考え出され、プログラマーがそれらを組み合わせてCGソフトのプログラムを書きます。そのようなプログラム製品をクリエーターが実行して使いこなして作品制作を行います。
上記の流れのうち、アルゴリズムの発明を詳細に説明する文書が研究論文です。一つの発明は6~10ページほどの論文一件で説明されます。どのぐらい詳細な説明かというと、それなりのスキルのプログラマーが読んで理解し、プログラムを一から書いてその発明の実行を再現できるぐらい詳細、です。そのように書かれていない論文は論文誌には採録されません。
つまり、たかだか10ページの研究論文にはすごく濃い情報が盛り込まれているのです。「CG技術特論」ではそのような研究論文を大学院生が読みこんで内容紹介のプレゼンテーションをします。
さて、論文は無数に近いぐらいあります。
CG研究は50年ぐらいの歴史があります。世界的に著名なCG関連の論文誌は10誌程度でしょうか。1誌平均で掲載される論文は年間100件程度です。掛け算すると5万件になります。歴史の浅い論文誌があることを考慮して半分としても、2~3万件の論文がある計算になります。
「CG技術特論」の授業では、CG分野の論文誌のうち名実ともにトップレベルのSIGGRAPH(シーグラフ)という学会の論文に限っています。これでもざっと見て約4000件です。履修する大学院生はその中から自分の興味のある論文を選び、内容を紹介します。
メディア学部 柿本正憲
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