卒業生に贈った言葉
2019年3月30日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部の伊藤謙一郎です。
3月20日の卒業式から少し時間が経ちました。卒業生の皆さんは期待と不安の中で、それぞれの道を歩み始めていることでしょう。
卒業式当日、私は研究室の卒業生へのはなむけの言葉の中で、「学び続けること」と「健康であること」の大切さを語りました。
これまでは「大学」という限られた空間での学びが主体でした。授業や演習・卒業研究など、大学が用意したカリキュラムを一通りこなせば単位が得られ、その積み重ねの結果が「卒業」という形で示されます。
しかし社会に出れば、それぞれの環境・立場で学ぶべきことはもちろんのこと、自身が「どう生きるか」「どうありたいのか」を考える姿勢が必要です。テストのように答えがあるわけでなく、優劣がつけられるものでもありません。正解もゴールもない中で、日々模索し続けることが大切だと思います。
さらに、好むと好まざるとにかかわらず、いろいろな考えや価値観を持った人々と接する機会が増えます。私自身、今まで思いもつかなかった考えに示唆を受け、時には強い感銘を覚えたことも少なくありません。
また、相容れない主張に考えさせられたり、他人と意見が対立したりすることも往々にしてあります。むしろ、こちらのほうが日常生活で多いように感じます。相手の真意を汲み取ることなく、その人の発言や考えを言下に否定したり批判したりするのは非常に偏狭な態度ですし、そこからは何も産まれません。
まずは相手がどのような考えや立場で述べているのかを想像することは、円滑なコミュニケーションのための基本です。「違いを認めること」は「相手を尊重すること」にほかならず、互いの信頼の基盤になるものです。そうした信頼があるからこそ、主義主張の違いを踏まえた建設的な議論が初めて成り立つと言えるのではないでしょうか。これも「学び」の一つですし、あらゆる面で「学び続ける姿勢」を持つことは視野を広げ、自らの可能性を切り拓くものと私は考えています。(もちろん、学ぶか学ばないかは自身の考えで決めればよい話です)
そして「健康であること」。心身ともに健康であることが、充実した毎日を送るための第一歩です。人間ですから好調・不調の波は誰にでもあります。時には、敢えて力を抜いて無理をしない期間を取るのも自己管理の一つです。先に述べた「学び続けること」も例外ではありません。そうした姿勢に疲れたら、ほんの少し「学び」から離れることでまた学ぶこともあるはずですから。
卒業生の皆さんは環境が大きく変わるこの時期、新たな不安や悩みを抱えるかもしれません。気候も大きく変化しますから、体調を崩さぬよう健康にはくれぐれも留意していただきたいと思います。
(伊藤謙一郎)
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