灼熱のタイ滞在記 (9日目)
2019年4月12日 (金) 投稿者: メディア技術コース
タイのキングモンクート大学のメディア学科から招待を受けて訪問しています。9日目です。
今日の午前中は、Wa 先生が担当している3年生の卒業プロジェクトについての指導に御一緒させていただきました。教員が3名くらい居て、学生がその前でアイデアを発表しコメントしてもらいます。学生は2名で一つのプロジェクトにあたっているようです。今日は、ウェブから大気汚染のデータを取ってきて、それを利用して変化の履歴を可視化し、それを利用してゲーミフィケーションのサイトを作りたいというような内容でした(多分)。まだ、研究案を考えはじめた段階ということでまだアイデアとして未熟な感じを受けましたが、これから指導をうけてまとまっていくのでしょう。こうした進め方は、こちらの大学とも同じような感じですね。
午後には3年生のクラスでインタラクティブ性を利用するアイデアを創るというワークショップをやってみました。実はキングモンクート大学の別の学科と夏に行う予定のシンポジウムで、こうしたアイデアの学生コンテストを企画しようと考えており、そのテストを兼ねて試させてもらいました。いわゆる人柱というやつでしょうか。初めに、どのようなものをユニークなアイデアとして考えて欲しいのかを実例を提示しながら説明して、その後、紙にそれぞれのアイデアをスケッチと説明文という体裁で書いてもらいました。時間は20分程度で考えてもらったのですが、意外?とそれなりにすぐ書き始めているではないですか。しかし、ユニークなアイデアがそんなにすぐに浮かぶものだろうか…。君たち、もう少し悩んでから描き始めたら…。
皆が終わった感じのところで終了としてから、新しいアイデアを考えるのにはどうすればよいのかという内容で講義をいたしました。なんでもいいから面白いことを考えろと言われてもそうは簡単に思いつけるものではないでしょう(はず)。そうした際に、何か降りて来いとばかりにおもむろに中空をにらみ続けていても神は微笑みません。そうした際には、それなりの方法がいくつかあります。もちろん、そういう方法を知っていたとしても、より広い教養と、異なるものの間に関連を見つけられるような頭の働き方を訓練することが必要ですが、とりあえず知らなければなかなかうまくいかないでしょう。初めにこうした方法を説明しなかったのは、取り組むまえに話をしても必要性を実感していないうちではあまり頭に入らないだろうと思ったからでしたが、いずれにせよ英語のせいかあまり頭に入らないように見えました(トホホ…)。
さて、授業の終わりに、皆のアイデアスケッチを提出してもらいました。見てみると、面白いアイデアというのはやはりそう簡単には出てこないようですね。時間も短かったこともあります。ただ、説明がうまく通じていないことに起因するように見えるアイデアがいくつかあり、こういうアイデアは駄目だよと念を押したものをあえて書いているものがいくつかありました。これは、あらかじめ、指示をタイ語に翻訳してもらって配布できるようにするなど、補助の資料を作っておけばよかったと思いました。それでも、100くらいのなかに3つほどは面白くなりそうなアイデアがありました。でも、一人でアイデアを考えるときにも、面白いアイデアが浮かぶ割合はそんなものかもしれません。良いアイデアを考えるときには量が必要です。
この日の夜には、先日訪問した別の学科の先生が食事に誘ってくれました。ヌッタナン先生(写真中の真ん中)は、大学院で日本の大学にいらっしゃったこともあり、日本語が話せます。連れて行ってくれたのは、クラフトビールを作っているなかなか豪華なレストランです。おまけにステージがあって、そこで毎日行われるショーが有名なところだということでした。比較的早めに入ったのでそれなりに空いていましたが、7時辺りからショーがはじまるとどんどん客が入ってきて、最後には平日だというのに席はいっぱいになりました。ショーも、いろいろな歌手が入れ替わり歌ったりダンスパートがあったり盛りだくさんの内容で、ビールもおいしいし、講義もとりあえず明日で終わりだしということで、リラックスできました。怪しげな歌手から格好いいポップス、なかには日本の歌(北酒場?)などなどあって店中ノリノリになって楽しかったのですが、ショーの音楽で終始大きな音が鳴っていて会話がほとんどできないのが難点でした…。料理もこれまで自分ひとりのときに食べていた町中の屋台のような安いものではなく、300から500バーツ以上の感じで高級ですが、味もやはり上等でかなりおいしいタイ料理でした。
さて、明日が最後の仕事です。
太田
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