ヒラメキICTクラブ(その2)
2019年4月 7日 (日) 投稿者: メディア技術コース
こんにちは寺澤です。
(その1)に続いて、「ヒラメキICTクラブ」の活動について書こうと思います。
講座を運営していくために特に気を配ったのは「教えすぎない」ことです。この事業は学校教育のカリキュラムの一部ではありません。また、趣旨として、地域の子供たちが保護者や学校関係者、地域住民、企業などの支援を受けながら、そして彼ら支援者と一緒に、放課後などの時間に楽しくITやプログラミングに触れ、親しんでもらうこと、そして、このような取り組みが地域で持続的に実施されていくようにすることがねらいであり、そのような仕組みづくりの実証事業となっています。したがって、「授業」のようになってしまうと、学校教育と似た雰囲気になってしまいますし、教える人が固定化されがちなど、体制としてもよくありません。そこで、道具の使い方などの最低限の最初の指導や時間管理などの全体のコントロールをする「ファシリテーター」1人と、子供たち1人または2人に1人の割合で付き添って一緒にモノづくりを行う「メンター」を多数配置するスタイルとしました。メンターは安全などに気を配りながら、子供たちが何を作りたいのかに応じて躓いたところで助け舟を出し、一緒にアイデアを実現していく役割で、積極的には教えません。また、保護者の有志の方には「サポーター」として、運営の補助をお願いするとともに、子供たちと同様に自分でもプログラミングをやってみることで、いずれ「メンター」へと進んでいただけるようにしました。
基礎講座では全中理支援センターのメンバーがファシリテーターを交代で務め、メンターの一部も務めました。メンターにはほかに企業から数名の方にボランティアで参加していただきました。応用講座ではゲストファシリテーターをお招きして「プレイフルなモノづくり」と「アートフルなモノづくり」を実施し、メディア学部の学生にもメンターとして参加してもらいました。毎回の講座の後、ファシリテーター、メンターのミーティングを行い、その日の講座で感じたことと問題点、改善策を共有しました。私は基礎講座の各拠点に1,2回ずつアドバイザーの立場で参加し、応用講座には毎回参加しましたが、感じたのは子供たちの柔軟さです。発想が自由で、本当に完成させられるかはあまり気にしていない分、大人には考えつかないようなものを作ろうとします。そして、見ていて大変だなと思ったのはメンターの役割です。あまり介入しすぎないように気を付けながら、でも、時間内に満足のいくものに仕上げるのを手を出したくなるのを我慢しながらサポートするのは思ったより大変です。講座後のミーティングでもほぼ毎回、子供との距離感の話は出てきて、大人の共通の悩みでもありました。しかし、それも講座の回を追うごとに経験値が蓄積されてきて、コツのようなものがだいぶ共有されたと思います。
全中理支援センターでは2019年度もこの活動をつづけ、拡大する計画です。私も継続的に関わって行きたいと考えています。次の記事ではこの事業の報告会について書きたいと思います。
(メディア学部 寺澤卓也)
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