日本広告学会「クリエーティブフォーラム2019」(メディア学部 藤崎実)
2019年5月29日 (水) 投稿者: メディア社会コース
メディア学部社会コースの藤崎実です。
日本広告学会では毎年5月に「クリエーティブフォーラム」を開催しています。
今年は5月11(土)虎ノ門ヒルズにあるADK本社の大会議を会場に開催されました。
今日はそのフォーラムについてお伝えします。
私は日本広告学会のクリエーティブ委員でもあり、
この「クリエーティブフォーラム」は2008年の第1回目から運営に関わってきました。
広告の研究にはクリエーティブ研究という分野がありますが、そのクリエーティブ研究を活性化させるためには、広告業界の今の動向を知る必要があります。広告は時代とともに動いているので、常に最新の状況を知っておく必要があるのです。
そこで広告学会のクリエーティブ委員が中心になり、学識者・研究者と実務家の接点を設け、最新の動向を共有することで、広告研究を常にアップデートさせるために「クリエーティブフォーラム」が設けられたのです。
そして、今年の大会テーマは、「広告会社が社外に設立する「クリエーティブ・ブティック」の役割と可能性」です。
このテーマ設定にも解説が必要でしょう。
変わりゆく時代とクライアントが求める要望に対応するために、広告会社もどんどん形を変えて変化しています。具体的には、従来の形にとらわれずに自由な発想で広告コミュニケーションを組み立てることができる小規模なクリエイター組織(クリエーティブブティック)を社外に設置する動きが加速しているのです。
こうした動きは、広告ビジネスとクリエーティブの可能性を大きく変えるパワフルな変化をもたらしています。
当日の内容を細かくレポートすると大量になるので、このブログでは全部を書くことはできませんが、広告は人々の暮らしとともに常に動いているのです。
従って、広告の研究とは、動いている時代と暮らしをどのように捉えるのか、ということを考える研究と換言することもできるのです。
それは社会や暮らしとの接点で考えれば社会学であり、データサイエンスという側面からは科学であり、マーケティング戦略という側面からも、コミュニケーションという側面からも考えることもできます。もちろん消費者行動論とも直結します。
企業における広告という意味では経営戦略そのものでもあり、広告会社のあり方に視点を移せば、組織論やマネジメント研究にも直結します。
広告が包含する研究分野は実際のところ、多様な価値観に溢れているのです。
広告研究で大変特徴的だと思えるのは、常に変化する状況が対象である点です。すなわち、広告を学ぶこと、広告を研究することにおいては終わりはなく、常に情報をアップデートする感覚が求められているのです。
(メディア学部 藤崎実)
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